言葉を増やし、人に伝える力を伸ばしていくには、幼児期にどういったことに気をつけていけばよいのでしょうか。日本語研究の第一人者である杏林大学の金田一秀穂先生にお話を伺いました。
昔も今も、就学前の子どもたちが言葉を習得していく過程は同じです。主に家庭でお父さんやお母さんなどおうちのかたの言葉から、子どもたちは言葉を身につけていきます。お父さんお母さんが話す言葉はとても大事で、その影響はすごく強いのです。親が本を読む、歌を詠むという環境であれば、子どもも自然と真似るように、言葉も親を見ながら、覚えていきます。
そう考えると、親の語彙が少なくなっているのが、今は問題です。親は子どもに「しっかり」・「早く」・「ちゃんと」など、単語で話すことが多いですよね。親が意識して、例えば「しっかり」という言葉を子どもに伝えたかったら、「見られても恥ずかしくないような身だしなみ、姿・格好をしなさい」と言ってみるとか。違う言葉を意識して使ってみるだけで、子どもの言葉の幅はぐんと広がりますよ。
家庭の中で使う言葉には限界があるので、歌(童謡)や絵本から、言葉を身につけていくのもひとつの手です。「むかしむかし」、「どんぶらこっこ」といった言葉は絵本ならではの言葉ですし、「春の小川」であれば、実際に見たことがなくても小川が「さらさら行く」と言った言葉が身につきます。そういった意味でも、子どもたちの歌、特に「童謡」は言葉の宝庫ですね。ぜひ北原白秋や谷川俊太郎など、小さいうちから一流の詩人たちの言葉にふれ、語彙を増やしていきたいものです。
言葉が少ないと、人は粗っぽくなります。粗雑に世の中を見るようになる。粗雑に自分を考えるようになる。だから、なるべく細やかな人間になりたい、世界も細やかに見たいと思うなら、語彙を増やしていくことです。それは例えれば、デジタルカメラの画素数が増えるようなものです。言葉を増やすことで、より正確に、より細やかに世の中を見ることがきると思います。
また、言葉が多いと、相手に伝えられることも広がります。例えば、雨が降っていた時に、「雨が降ってきた」と言うのと、「しとしと雨が降ってきた」「ザーザーどしゃぶり雨」「ぽつぽつ通り雨」など。言葉を知っていると、より正確に伝えられます。また最近は「ゲリラ豪雨」など、一言でくくりがちなことも気になります。それ自体は、わかりやすく、他人の耳に響きやすい、届きやすいといういい面もありますが、よく考えると、おおざっぱで大まかなとらえ方だと思います。せっかくいろんな言葉が日本語にはあるのだから、それを使わないのはもったいない。「豊かさ」とは、そういう細かなことまで表現できたり、理解できたりすることなんじゃないかと思います。
日本語でも英語でも、これから言葉は上手に話すことは目的ではなく、「何を」語るかが重要な時代になってきます。そんな時代に大切なのは、自分で考え、判断し、表現できる力です。これらはAIやインターネットの検索ではでてこない、人間独自のものだからです。そのために、小さいうちから「本物」にふれておくとよいなと思います。世間には偽物が多くあふれ、本物が見つけにくい時代です。またインターネットの内容も、必ずしも信用できない。だからこそ、自分で考え、判断するときに、自分の「感性」が大事になってきます。
おうちのかたはぜひ、本物にふれて感じる体験を通して、お子さんの感性を磨いてくださいね。
—いかがでしたでしょうか?
金田一先生には、幼児期の言葉の増やし方と考える力の伸ばし方についてお話を伺いました。
子どもの言葉を増やしながら、考える力も伸ばす—。
そんな体験を幼児期にぜひさせたいものですね。
<こどもちゃれんじ>は、年齢に合わせて無理なくステップアップする教材で、「考える力」の土台となる「発見する力」、「解決する力」を育みます。
一つの題材に対し、映像教材や絵本、ワーク、エデュトイで様々な角度から触れて理解を深める「マルチアプローチ」で子どもの好奇心や、探究心をぐいぐい引き出すのもポイントの一つです。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
<こどもちゃれんじ>はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/
お話をうかがった人
金田一 秀穂先生
1983年 東京外国語大学大学院日本語学専攻課程修了。
大連外語学院、イェール大学、コロンビア大学などで日本語講師を勤めた後、ハーバード大学客員研究員を経て、1988年から杏林大学教授。日本語学の権威である祖父・金田一京助氏、父・春彦氏に続く、日本語研究の第一人者。
言葉を増やし、人に伝える力を伸ばしていくには、幼児期にどういったことに気をつけていけばよいのでしょうか。日本語研究の第一人者である杏林大学の金田一秀穂先生にお話を伺いました。
昔も今も、就学前の子どもたちが言葉を習得していく過程は同じです。主に家庭でお父さんやお母さんなどおうちのかたの言葉から、子どもたちは言葉を身につけていきます。お父さんお母さんが話す言葉はとても大事で、その影響はすごく強いのです。親が本を読む、歌を詠むという環境であれば、子どもも自然と真似るように、言葉も親を見ながら、覚えていきます。
そう考えると、親の語彙が少なくなっているのが、今は問題です。親は子どもに「しっかり」・「早く」・「ちゃんと」など、単語で話すことが多いですよね。親が意識して、例えば「しっかり」という言葉を子どもに伝えたかったら、「見られても恥ずかしくないような身だしなみ、姿・格好をしなさい」と言ってみるとか。違う言葉を意識して使ってみるだけで、子どもの言葉の幅はぐんと広がりますよ。
家庭の中で使う言葉には限界があるので、歌(童謡)や絵本から、言葉を身につけていくのもひとつの手です。「むかしむかし」、「どんぶらこっこ」といった言葉は絵本ならではの言葉ですし、「春の小川」であれば、実際に見たことがなくても小川が「さらさら行く」と言った言葉が身につきます。そういった意味でも、子どもたちの歌、特に「童謡」は言葉の宝庫ですね。ぜひ北原白秋や谷川俊太郎など、小さいうちから一流の詩人たちの言葉にふれ、語彙を増やしていきたいものです。
言葉が少ないと、人は粗っぽくなります。粗雑に世の中を見るようになる。粗雑に自分を考えるようになる。だから、なるべく細やかな人間になりたい、世界も細やかに見たいと思うなら、語彙を増やしていくことです。それは例えれば、デジタルカメラの画素数が増えるようなものです。言葉を増やすことで、より正確に、より細やかに世の中を見ることがきると思います。
また、言葉が多いと、相手に伝えられることも広がります。例えば、雨が降っていた時に、「雨が降ってきた」と言うのと、「しとしと雨が降ってきた」「ザーザーどしゃぶり雨」「ぽつぽつ通り雨」など。言葉を知っていると、より正確に伝えられます。また最近は「ゲリラ豪雨」など、一言でくくりがちなことも気になります。それ自体は、わかりやすく、他人の耳に響きやすい、届きやすいといういい面もありますが、よく考えると、おおざっぱで大まかなとらえ方だと思います。せっかくいろんな言葉が日本語にはあるのだから、それを使わないのはもったいない。「豊かさ」とは、そういう細かなことまで表現できたり、理解できたりすることなんじゃないかと思います。
日本語でも英語でも、これから言葉は上手に話すことは目的ではなく、「何を」語るかが重要な時代になってきます。そんな時代に大切なのは、自分で考え、判断し、表現できる力です。これらはAIやインターネットの検索ではでてこない、人間独自のものだからです。そのために、小さいうちから「本物」にふれておくとよいなと思います。世間には偽物が多くあふれ、本物が見つけにくい時代です。またインターネットの内容も、必ずしも信用できない。だからこそ、自分で考え、判断するときに、自分の「感性」が大事になってきます。
おうちのかたはぜひ、本物にふれて感じる体験を通して、お子さんの感性を磨いてくださいね。
—いかがでしたでしょうか?
金田一先生には、幼児期の言葉の増やし方と考える力の伸ばし方についてお話を伺いました。
子どもの言葉を増やしながら、考える力も伸ばす—。
そんな体験を幼児期にぜひさせたいものですね。
<こどもちゃれんじ>は、年齢に合わせて無理なくステップアップする教材で、「考える力」の土台となる「発見する力」、「解決する力」を育みます。
一つの題材に対し、映像教材や絵本、ワーク、エデュトイで様々な角度から触れて理解を深める「マルチアプローチ」で子どもの好奇心や、探究心をぐいぐい引き出すのもポイントの一つです。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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お話をうかがった人
金田一 秀穂先生
1983年 東京外国語大学大学院日本語学専攻課程修了。
大連外語学院、イェール大学、コロンビア大学などで日本語講師を勤めた後、ハーバード大学客員研究員を経て、1988年から杏林大学教授。日本語学の権威である祖父・金田一京助氏、父・春彦氏に続く、日本語研究の第一人者。
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