スーパー保育士・原坂先生に聞く!意欲的な子どもが育つ「待てる親」になる秘訣

 行動が遅くてイライラ怒ってしまったり、先回りしていろいろと手を出しすぎたり…。子育てに悩みは尽きないものですよね。では、どうすれば子どもを「待てる親」になれるのでしょうか。
「スーパー保育士」と呼ばれ、現在は子育てに関する研究・執筆・講演活動を行っている原坂一郎さんに、お話をうかがいました。

関連:みんな子どものひらがなどうしてる? 困ったことランキングとその対応方法

お悩み

出勤前の忙しい時間に子どもがダラダラと遊びながら着替えたりご飯を食べたりすると、行動の遅さにイライラして「早くしなさい!」と子どもを怒鳴りつけてしまいます。また遅いのでつい先回りしていろいろとやってしまうことも多く、子どものためになっていないのではと考えることがあります。

(年少さんのおうちのかたより)

A「早く」という言葉は、ある調査によるとお母さんは一般的に1日40回ぐらい言っているそうです。どこのご家庭の、どこのおうちのかたでも言っているので、安心してください(笑)。

おうちのかたは忙しく、フル回転で動いているので、子どもの動きを遅く感じてしまいがちですが、そのスピードでしか、まだ子どもは動けません。このジレンマを解消するには2つ方法があります。

1つは、子どもは自分の予想以上、例えば2倍くらい時間がかかるものと最初から思い、心と時間の余裕をもつことです。1人なら5分で行けるところでも、子どもと一緒なら10分かかると思うこと。そう思っていれば、そもそも「待つ」という行為をしなくてすむのです。

もう1つは自分が「待てる親」になることです。そのときに大事なのは「認める」「あきらめる」「許す」の3つの心がけです。

 

「認める」…とは、子どものありのままの姿を丸ごと受け止めてあげることです。何があっても「これがわが子」と認めてあげましょう。

 

「あきらめる」…とは、たとえば赤ちゃんのお母さんは本当は赤ちゃんに喋ってほしくても、そうなることはあきらめていますよね。自分の努力ではどうしようもないことは、すっぱりあきらめてしまいましょう。そうすると、笑顔さえ出てきますよ。

 

「許す」…とは、許容範囲を広くすることです。すぐ怒ってしまう人は、ひとまわり許容範囲を広げましょう。そのためには「まぁいいか」という気持ち、ゆとりが大事です。よその子がしたときに許せることは、我が子がしても許してあげましょう。

 

子どもは、あとほんの少し待ってあげられたら、自分でできるということも多いのですよ。だから親が待てるようになると、子どもの「自分でできた!」が増えます。そうすると、それは子どもの自信につながり、「自己肯定感」が高まります。そうなると、「もっとやりたい!」「自分でやろう!」という意欲的な子どもになります。また子どもは待ってくれた人に対して、「優しさや愛情」を感じ、子ども自身も「待てる子」になります。忙しいときに待つのは大変ですが、待ってあげることで、子どもはぐんと成長します。

 

また、おうちのかたが先回りして手伝ってしまうことは、必ずしも悪いことではありません。ポイントは、「とっかかり」だけ手伝うことです。例えば朝の着替え。パジャマから洋服に着替えるときに、5つボタンがあれば、年齢にもよりますが、最初のボタン2つを外してあげる。「最初だけね」と言ってそこだけ手伝えば、あとは子どもは不思議なもので、最後までやれます。とっかかりだけ手伝ってあげて、「仕上げは子ども」にするといいですね。たとえ半分以上おうちのかたがしたことでも、最後に自分がすることで、「自分でできた!」という気持ちになるので、子どもの自信が育ちます。自信が育っていくと習慣になり、やがて本当に自分でできるようになります。おうちのかたは、そういった声かけや行動を意識するといいと思います。

子どもをしかるときはついつい感情的になってしまうというかたは、怒るときは子どもを抱っこして話してみるのはどうでしょうか。ぼくは保育士のときに、子どもを抱っこして叱るようにしていました。「お友だちに砂をかけたらダメ!」と叱っているときでも、抱っこされていることで子どもはどこかで愛されていると感じ、素直に相手の話を聞くことができます。また自分自身も、抱っこすることで、感情的にならずに叱ることができるので、オススメです。

関連:もう見逃さない! 保育園の園長先生が教える、子どもの成長に気づく3か条

年齢にピッタリの「できた!」の体験で次の意欲につなげる教材

―いかがでしたでしょうか?

 

原坂さんには、子どもを待てる親になるための心構えと、親が待てるようになると子どもがどう変わるかということを教えていただきました。

〈こどもちゃれんじ〉も、幼児期の間に「できた!」喜びをたくさん体験し、それが次の意欲につながることを目指して教材を設計しています。また、発達に合ったタイミングのよい「できた!」「わかった!」の体験が重要だと考えているので、赤ちゃんから就学前まで、それぞれの発達に合わせて年齢別にコースが分かれています。

ぜひ一度、お子さまの発達に合った〈こどもちゃれんじ〉の教材をご覧ください。

〈こどもちゃれんじ〉はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/

お話をうかがった人

原坂 一郎 さん

KANSAI こども研究所所長、関西国際大学・教育学部非常勤講師。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開中。著書に『こどもがこっちを向く「ことばがけ」』(ひかりのくに)など。

 行動が遅くてイライラ怒ってしまったり、先回りしていろいろと手を出しすぎたり…。子育てに悩みは尽きないものですよね。では、どうすれば子どもを「待てる親」になれるのでしょうか。
「スーパー保育士」と呼ばれ、現在は子育てに関する研究・執筆・講演活動を行っている原坂一郎さんに、お話をうかがいました。

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お悩み

出勤前の忙しい時間に子どもがダラダラと遊びながら着替えたりご飯を食べたりすると、行動の遅さにイライラして「早くしなさい!」と子どもを怒鳴りつけてしまいます。また遅いのでつい先回りしていろいろとやってしまうことも多く、子どものためになっていないのではと考えることがあります。

(年少さんのおうちのかたより)

A「早く」という言葉は、ある調査によるとお母さんは一般的に1日40回ぐらい言っているそうです。どこのご家庭の、どこのおうちのかたでも言っているので、安心してください(笑)。

おうちのかたは忙しく、フル回転で動いているので、子どもの動きを遅く感じてしまいがちですが、そのスピードでしか、まだ子どもは動けません。このジレンマを解消するには2つ方法があります。

1つは、子どもは自分の予想以上、例えば2倍くらい時間がかかるものと最初から思い、心と時間の余裕をもつことです。1人なら5分で行けるところでも、子どもと一緒なら10分かかると思うこと。そう思っていれば、そもそも「待つ」という行為をしなくてすむのです。

もう1つは自分が「待てる親」になることです。そのときに大事なのは「認める」「あきらめる」「許す」の3つの心がけです。

「認める」…とは、子どものありのままの姿を丸ごと受け止めてあげることです。何があっても「これがわが子」と認めてあげましょう。

「あきらめる」…とは、たとえば赤ちゃんのお母さんは本当は赤ちゃんに喋ってほしくても、そうなることはあきらめていますよね。自分の努力ではどうしようもないことは、すっぱりあきらめてしまいましょう。そうすると、笑顔さえ出てきますよ。

「許す」…とは、許容範囲を広くすることです。すぐ怒ってしまう人は、ひとまわり許容範囲を広げましょう。そのためには「まぁいいか」という気持ち、ゆとりが大事です。よその子がしたときに許せることは、我が子がしても許してあげましょう。

子どもは、あとほんの少し待ってあげられたら、自分でできるということも多いのですよ。だから親が待てるようになると、子どもの「自分でできた!」が増えます。そうすると、それは子どもの自信につながり、「自己肯定感」が高まります。そうなると、「もっとやりたい!」「自分でやろう!」という意欲的な子どもになります。また子どもは待ってくれた人に対して、「優しさや愛情」を感じ、子ども自身も「待てる子」になります。忙しいときに待つのは大変ですが、待ってあげることで、子どもはぐんと成長します。

また、おうちのかたが先回りして手伝ってしまうことは、必ずしも悪いことではありません。ポイントは、「とっかかり」だけ手伝うことです。例えば朝の着替え。パジャマから洋服に着替えるときに、5つボタンがあれば、年齢にもよりますが、最初のボタン2つを外してあげる。「最初だけね」と言ってそこだけ手伝えば、あとは子どもは不思議なもので、最後までやれます。とっかかりだけ手伝ってあげて、「仕上げは子ども」にするといいですね。たとえ半分以上おうちのかたがしたことでも、最後に自分がすることで、「自分でできた!」という気持ちになるので、子どもの自信が育ちます。自信が育っていくと習慣になり、やがて本当に自分でできるようになります。おうちのかたは、そういった声かけや行動を意識するといいと思います。

子どもをしかるときはついつい感情的になってしまうというかたは、怒るときは子どもを抱っこして話してみるのはどうでしょうか。ぼくは保育士のときに、子どもを抱っこして叱るようにしていました。「お友だちに砂をかけたらダメ!」と叱っているときでも、抱っこされていることで子どもはどこかで愛されていると感じ、素直に相手の話を聞くことができます。また自分自身も、抱っこすることで、感情的にならずに叱ることができるので、オススメです。

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年齢にピッタリの「できた!」の体験で次の意欲につなげる教材

―いかがでしたでしょうか?

原坂さんには、子どもを待てる親になるための心構えと、親が待てるようになると子どもがどう変わるかということを教えていただきました。

〈こどもちゃれんじ〉も、幼児期の間に「できた!」喜びをたくさん体験し、それが次の意欲につながることを目指して教材を設計しています。また、発達に合ったタイミングのよい「できた!」「わかった!」の体験が重要だと考えているので、赤ちゃんから就学前まで、それぞれの発達に合わせて年齢別にコースが分かれています。

ぜひ一度、お子さまの発達に合った〈こどもちゃれんじ〉の教材をご覧ください。

〈こどもちゃれんじ〉はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/

お話をうかがった人

原坂 一郎 さん

KANSAI こども研究所所長、関西国際大学・教育学部非常勤講師。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開中。著書に『こどもがこっちを向く「ことばがけ」』(ひかりのくに)など。

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