【臨床心理士監修】3歳になると、お子さんのコミュニケーション能力が高くなり、トイレトレーニングも余裕を持って進めることができます。「排泄はトイレでする」ということもすぐに理解できるので、声かけや進め方次第でびっくりするほどうまくいくことも。3歳ならではの心理や行動、トレーニング方法をお教えします。
3歳でトイレトレーニングが進まない! そのわけとは?
お子さんも3歳になれば、身体も心もかなりしっかりと成長してきます。それでも、トイレトレーニングをいやがったり、失敗したり、うまく進まないことはよくあります。そんなときは、一度立ち止まって、トイレトレーニングが進まないわけを探してみましょう。
おもらしをしてしまう理由を聞いてみよう
3歳の場合、自分の気持ちを上手に言葉で伝えることができるお子さんもいます。「トイレでおしっこができない理由」を、お子さんの機嫌がいいときに聞いてみましょう。
そのときに注意することは、問いつめるような聞き方をしないことです。「何がいやなの?」「どうしてできないの?」と、おうちのかたが責めるような口調になってしまうと、お子さんは心を閉ざしてしまいます。
お子さんに話を聞くときのコツは
1. お子さんの体調や機嫌のいいときに聞く
2. 漠然とした質問より、具体的な質問をする
例)「どうしてトイレに行けないの?」→「トイレでおしっこするの好き?それとも嫌い?」「トイレ行くの怖い?」
3. お子さんが少しでも話し始めたら、さえぎらず、最後までしっかり相槌を打ちながら聞いてあげる
3歳だと、自分がトイレに行けない理由をすべて説明できるお子さんはまだ少ないかもしれません。「ズボン脱ぐのいや」「オムツがいい」「トイレ臭い」といった、お子さんの言葉に耳を傾けてみると、お子さんがトイレに行かない理由が見えてくるかもしれません。
トイレトレーニングをいやがる理由
3歳のトイレトレーニングがうまく進まないときには、何らかの理由があることが多いです。お子さんがいやがる理由として、よくあるものを挙げてみます。
● トイレに行くのが面倒(オムツの方が楽)と思っている
● 下の子が生まれて赤ちゃん返りをしている
● 遊びなど、目の前のことに夢中で気づかない
● 今していることを中断したくない
● 膀胱容量が少なく頻尿なのでトイレに間に合わない
● 「おしっこやうんちが溜まっている」という感覚がまだ未熟
● 便秘でうんちが出づらい
● 「オムツがいい」「~の場所でないといや」とこだわりが強まる時期
● イヤイヤ期で、おうちのかたの言う通りにすること自体がいやな場合
● おもらししたときに、おうちのかたが叱ってしまったことがある
● おうちのかたが頻繁にトイレに誘いすぎたので、トイレに行くことがいやになっている
当てはまるものはあるでしょうか? お子さんの様子をよく観察し、話に耳を傾けて、今までのトイトレでの対応を振り返ってみると、トイレトレーニングをいやがるヒントが隠されているかもしれません。
トイレトレーニングの進め方&上手な声かけ
3歳のトイレトレーニング、今までなかなかうまくいかなかったお子さんの場合、どうすればスムーズに進むのでしょうか。進め方と声かけのコツを解説します。
進め方の基本
1. 生活の区切りで、「明るく、楽しく」声かけをする
トイレトレーニングに気が進まないお子さんの場合、自分から「トイレに行く」と言うことは少ないので、おうちのかたが「一緒に行こう」と声をかけることが基本です。
声かけをするときは、以下の点に気をつけましょう。
● 「起床時」「食事の前後」「お出かけの前後」「お風呂前」「寝る前」など、生活の区切りにトイレに誘う
● お子さんが遊びに夢中のときや、機嫌が悪いときは避ける
● 「行きなさい」といった命令口調ではなく、「一緒にトイレ行こう!」「トイレでおしっこ出たら、シール貼ってみようか」と、楽しく、明るい口調で誘う
● おしっこが出る、出ないにこだわらず、「トイレに行って座る時間が来たよ」ということを知らせるつもりで声かけをする
お子さんの様子をよく観察しながら、無理強いしないように誘うことが、トイレトレーニングを上手く進めるコツです。
2. ごほうびを工夫してみる
3歳のお子さんでトイレトレーニングが長引いている場合、「シールを貼るだけ」など、単純なごほうびには魅力を感じなくなっている可能性があります。
「台紙を用意して、シールが全部たまったらプレゼント」「トイレでおしっこしたら、くじ引きができる」など、ゲームのような要素を取り入れてみると、「トイレに行きたい」という気持ちが生まれるかもしれません。
3. お子さんに甘えたい気持ちがあるときは、あえて甘えさせてみる
下の子が生まれたときなど、「赤ちゃん返り」が始まったときには、あえてお子さんを甘えさせてあげましょう。「トイレまで、おんぶして行ってあげる」「赤ちゃんには内緒よ」と言ってトイレのごほうびをあげるなど、「自分が大切にされている」と感じられるよう配慮してあげると、お兄ちゃん・お姉ちゃんらしさがぐっと芽生えて「自分でトイレに行く」という気持ちになることがあります。
4.イヤイヤ期のお子さんや、「自分で決めたい」とこだわりが強いお子さんには、自分で決めてもらう方法をとる
「おうちのかたに言われるのがいや」「自分でやりたい、自分で決めたい」という気持ちが芽生えてきているお子さんの場合なら、
● トイレに行くタイミング
● トイレのごほうび
などを、お子さんに決めてもらうといいでしょう。最初は1日1回だけでもいいです。「自分で決めたことは自分でやる」、そのことを積み重ねるようにして、トイレトレーニングを進めていきましょう。
5. とにかくほめる、そして叱らない
過去に失敗したことを気にして、自信をなくしているお子さんもいます。たとえ失敗しても「トイレに行けたこと」「うんちを教えてくれたこと」など、どんな小さなことでもいいので、できたことについてお子さんをほめてあげましょう。
パンツ? オムツ? 起きているとき・寝ているときの使い分け
トイレトレーニングに使うパンツやトレーニングパンツ、夜用のオムツなどは、どのように使い分ければよいでしょうか?
パンツ(トレーニングパンツ)にするタイミング
自分から言えなくても、トイレに行ったとき、時々おしっこができるようになってきたら、まずは昼間起きているときにパンツを履かせてみましょう。パンツ(トレーニングパンツや布パンツ)は「お兄ちゃんパンツ」「お姉ちゃんパンツ」という名前で呼ぶと、お子さんは喜んで履いてくれます。最初はおもらしをしてしまいますが、「パンツが濡れたら気持ち悪い」ことがわかれば、自分からトイレに行くようになってくれます。
夜のパンツは朝までおしっこをしなくなってから
昼間トイレに行けるようになっても、夜はおねしょしてしまう、という場合も多いでしょう。夜におしっこをしなくなるためには、「膀胱が大きくなっていること」と「抗利尿ホルモン」という睡眠時に尿の量を減らすホルモンが分泌されることが必要です。
これらは、身体の成長なので、その時期が来るのを待つしかありません。おねしょが続くうちは夜用のオムツを履かせてあげましょう。朝一番で、オムツが濡れていない日が続いてきたら、夜もパンツにすることができます。
トイレに誘う・声かけアイディア
3歳になると、トイレに行きたくない理由もさまざまです。お子さんの気持ちに沿った声かけをしてあげましょう。
【遊びに夢中のとき】
お子さんが遊びに夢中の場合、「トイレに行こう」と誘っても無理なことが多いです。特に男の子だと、声をかけられていることに気づかないこともあります。
おうちのかたはお子さんの近くまで行って、目線を同じにして、「遊びが終わったら、トイレに行こうか?」と声かけをしましょう。そのとき、「トイレが終わったら、また遊びに戻ってもいいよ」ということも伝えます。それでもいやがるお子さんの場合は「トイレが終わったら、新しい遊びをしよう」「おやつを食べよう」などと新たなお楽しみを提案してみてもいいですね。
【トイレが嫌いな場合】
トイレが嫌いなお子さんの場合、もう一度トイレの環境を見直してみましょう。
● トイレを明るく清潔にしてみる
● お子さんが好きなキャラクターでデコレーションしてみる
● 新しくシールを貼る台紙を用意する
など環境を整えて、「トイレが新しくなったから、見に来て」と誘ってみましょう。
どうしてもトイレに行きたくない、というお子さんなら、トイレ以外の場所で「おまる」を使用することから始めましょう。大切なことは無理強いしないことです。お子さんができることから、少しずつ進めていきましょう。
【「オムツがいい」という場合】
オムツは赤ちゃんのもので、かっこいい「お兄ちゃんパンツ」、可愛い「お姉ちゃんパンツ」を履いてもいいことを伝えて、一緒にパンツを選んでもらいましょう。
おもらしをしたときには「新しいパンツにすると気持ちいいね」と乾いた感触が心地いいことを、おうちのかたが言葉にして言ってあげるといいでしょう。
【赤ちゃん返りをしているとき】
お子さんは普段以上に「自分のことを見て」と思っています。赤ちゃんが眠っているときなどは、お子さんと二人きりの時間を作ってあげて、「大好きだよ」「いつも赤ちゃんのお世話が終わるの待っていてくれてありがとう」と、お子さんのことが大切だよという言葉をたくさんかけてあげましょう。
トイレに行くときは、「赤ちゃんには待っていてもらおうね」と、おうちのかたを独り占めできる時間として、誘ってみるといいでしょう。
【イヤイヤ期や自我が芽生えたお子さんの場合】
「おうちのかたに言われたとおりにするのがいや」で「自分で決めたい」気持ちが芽生えたお子さんには、お子さんに決定権、選択権を与えるような声かけをしてみましょう。
● 「トイレ、今から行く? 遊びが終わってから行く?」
● 「おしっこできたときのごほうび、何がいい?」
● 「どのパンツにする?」
というように、お子さんが決める形にすると、自分で決めたことはできるお子さんも多いです。自分で決めたことができたときには、「すごいね」「よくできたね」とたくさんほめてあげましょう。
保育園・幼稚園通いのトイレトレーニング方法
3歳になると、保育園だけでなく、幼稚園に通い始めるお子さんもいますね。集団生活ではどのように対応していけばよいのでしょうか。
保育園は園と協力して進めていく
保育園は、園の方針によって、一人ひとりに合わせてくれる場合や、1歳を過ぎた頃から一斉にトイレに座らせる場合など、トイレトレーニングの方法はさまざまです。
大切なことは、園と密に連絡を取り合って、トイレトレーニングを始めるタイミングや、進め方をおうちでも同じペースになるようにすることです。トイレトレーニングのおうちでの進み具合や気になることは、こまめに園と共有するようにしましょう。
「保育園がやってくれるから」と園に任せっぱなしにして、家では何もせずオムツを履かせたままでいると、保育園でのトイレトレーニングがうまく進みません。保育園と協力してトイレトレーニングを進めていくことが、成功のカギです。
幼稚園のトイレトレーニング事情
3年保育の幼稚園の場合、入園時にはまだ3歳になりたてのお子さんもいますが、「入園前にトイレトレーニングを終わらせなくては」と焦っているおうちのかたも多いのではないでしょうか。
もし、入園前に終わっていない場合は、おうちでの進み具合と入園後のトイレトレーニングについて、幼稚園と相談しておきましょう。幼稚園でも引き続きトイレトレーニングをしてもらうことが可能な場合が多いです。
実際、幼稚園に行くと、まわりのお友だちが子ども用トイレに行くのを見て、「自分もできるようになりたい」という気持ちが芽生えます。入園後パンツになるまでには、そんなに時間がかかることはありません。おうちのかたは心配しすぎないようにしてあげてくださいね。
トイレトレーニングを通じてお子さんは大きく成長します!
3歳のトイレトレーニングで大切なことは、「自律性」と「やる気」です。自分でトイレに行けるようになることはお子さんの自信につながり、自己肯定感を育ててくれます。自己肯定感は、社会のルールに従うことや感情のコントロールができるための土台となっていきます。また、トイレトレーニングでの失敗体験によって、「次は失敗しないでほめられるように頑張ろう」というやる気を得られます。
トイレトレーニングは、お子さんの大きな成長の一歩です。大切なことは、おうちのかたが「叱らない」「ほめる」ということです。おうちのかたの焦る気持ちは、プレッシャーとなってお子さんに伝わります。お子さんを信じ、お子さんの成長を楽しみに、あと少しのトイレトレーニングを乗り切ってくださいね。
こどもちゃれんじでは、年齢に合わせて自分からトイレに行きたくなる教材をご用意しているから、無理なく楽しくトイレトレーニングができます。
お子さまの年齢に合った教材をぜひチェックしてみてください!
プロフィール
臨床心理士監修:須々木真紀子
「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)
【臨床心理士監修】3歳になると、お子さんのコミュニケーション能力が高くなり、トイレトレーニングも余裕を持って進めることができます。「排泄はトイレでする」ということもすぐに理解できるので、声かけや進め方次第でびっくりするほどうまくいくことも。3歳ならではの心理や行動、トレーニング方法をお教えします。
3歳でトイレトレーニングが進まない! そのわけとは?
お子さんも3歳になれば、身体も心もかなりしっかりと成長してきます。それでも、トイレトレーニングをいやがったり、失敗したり、うまく進まないことはよくあります。そんなときは、一度立ち止まって、トイレトレーニングが進まないわけを探してみましょう。
おもらしをしてしまう理由を聞いてみよう
3歳の場合、自分の気持ちを上手に言葉で伝えることができるお子さんもいます。「トイレでおしっこができない理由」を、お子さんの機嫌がいいときに聞いてみましょう。
そのときに注意することは、問いつめるような聞き方をしないことです。「何がいやなの?」「どうしてできないの?」と、おうちのかたが責めるような口調になってしまうと、お子さんは心を閉ざしてしまいます。
お子さんに話を聞くときのコツは
1. お子さんの体調や機嫌のいいときに聞く
2. 漠然とした質問より、具体的な質問をする
例)「どうしてトイレに行けないの?」→「トイレでおしっこするの好き?それとも嫌い?」「トイレ行くの怖い?」
3. お子さんが少しでも話し始めたら、さえぎらず、最後までしっかり相槌を打ちながら聞いてあげる
3歳だと、自分がトイレに行けない理由をすべて説明できるお子さんはまだ少ないかもしれません。「ズボン脱ぐのいや」「オムツがいい」「トイレ臭い」といった、お子さんの言葉に耳を傾けてみると、お子さんがトイレに行かない理由が見えてくるかもしれません。
トイレトレーニングをいやがる理由
3歳のトイレトレーニングがうまく進まないときには、何らかの理由があることが多いです。お子さんがいやがる理由として、よくあるものを挙げてみます。
● トイレに行くのが面倒(オムツの方が楽)と思っている
● 下の子が生まれて赤ちゃん返りをしている
● 遊びなど、目の前のことに夢中で気づかない
● 今していることを中断したくない
● 膀胱容量が少なく頻尿なのでトイレに間に合わない
● 「おしっこやうんちが溜まっている」という感覚がまだ未熟
● 便秘でうんちが出づらい
● 「オムツがいい」「~の場所でないといや」とこだわりが強まる時期
● イヤイヤ期で、おうちのかたの言う通りにすること自体がいやな場合
● おもらししたときに、おうちのかたが叱ってしまったことがある
● おうちのかたが頻繁にトイレに誘いすぎたので、トイレに行くことがいやになっている
当てはまるものはあるでしょうか? お子さんの様子をよく観察し、話に耳を傾けて、今までのトイトレでの対応を振り返ってみると、トイレトレーニングをいやがるヒントが隠されているかもしれません。
トイレトレーニングの進め方&上手な声かけ
3歳のトイレトレーニング、今までなかなかうまくいかなかったお子さんの場合、どうすればスムーズに進むのでしょうか。進め方と声かけのコツを解説します。
進め方の基本
1. 生活の区切りで、「明るく、楽しく」声かけをする
トイレトレーニングに気が進まないお子さんの場合、自分から「トイレに行く」と言うことは少ないので、おうちのかたが「一緒に行こう」と声をかけることが基本です。
声かけをするときは、以下の点に気をつけましょう。
● 「起床時」「食事の前後」「お出かけの前後」「お風呂前」「寝る前」など、生活の区切りにトイレに誘う
● お子さんが遊びに夢中のときや、機嫌が悪いときは避ける
● 「行きなさい」といった命令口調ではなく、「一緒にトイレ行こう!」「トイレでおしっこ出たら、シール貼ってみようか」と、楽しく、明るい口調で誘う
● おしっこが出る、出ないにこだわらず、「トイレに行って座る時間が来たよ」ということを知らせるつもりで声かけをする
お子さんの様子をよく観察しながら、無理強いしないように誘うことが、トイレトレーニングを上手く進めるコツです。
2. ごほうびを工夫してみる
3歳のお子さんでトイレトレーニングが長引いている場合、「シールを貼るだけ」など、単純なごほうびには魅力を感じなくなっている可能性があります。
「台紙を用意して、シールが全部たまったらプレゼント」「トイレでおしっこしたら、くじ引きができる」など、ゲームのような要素を取り入れてみると、「トイレに行きたい」という気持ちが生まれるかもしれません。
3. お子さんに甘えたい気持ちがあるときは、あえて甘えさせてみる
下の子が生まれたときなど、「赤ちゃん返り」が始まったときには、あえてお子さんを甘えさせてあげましょう。「トイレまで、おんぶして行ってあげる」「赤ちゃんには内緒よ」と言ってトイレのごほうびをあげるなど、「自分が大切にされている」と感じられるよう配慮してあげると、お兄ちゃん・お姉ちゃんらしさがぐっと芽生えて「自分でトイレに行く」という気持ちになることがあります。
4.イヤイヤ期のお子さんや、「自分で決めたい」とこだわりが強いお子さんには、自分で決めてもらう方法をとる
「おうちのかたに言われるのがいや」「自分でやりたい、自分で決めたい」という気持ちが芽生えてきているお子さんの場合なら、
● トイレに行くタイミング
● トイレのごほうび
などを、お子さんに決めてもらうといいでしょう。最初は1日1回だけでもいいです。「自分で決めたことは自分でやる」、そのことを積み重ねるようにして、トイレトレーニングを進めていきましょう。
5. とにかくほめる、そして叱らない
過去に失敗したことを気にして、自信をなくしているお子さんもいます。たとえ失敗しても「トイレに行けたこと」「うんちを教えてくれたこと」など、どんな小さなことでもいいので、できたことについてお子さんをほめてあげましょう。
パンツ? オムツ? 起きているとき・寝ているときの使い分け
トイレトレーニングに使うパンツやトレーニングパンツ、夜用のオムツなどは、どのように使い分ければよいでしょうか?
パンツ(トレーニングパンツ)にするタイミング
自分から言えなくても、トイレに行ったとき、時々おしっこができるようになってきたら、まずは昼間起きているときにパンツを履かせてみましょう。パンツ(トレーニングパンツや布パンツ)は「お兄ちゃんパンツ」「お姉ちゃんパンツ」という名前で呼ぶと、お子さんは喜んで履いてくれます。最初はおもらしをしてしまいますが、「パンツが濡れたら気持ち悪い」ことがわかれば、自分からトイレに行くようになってくれます。
夜のパンツは朝までおしっこをしなくなってから
昼間トイレに行けるようになっても、夜はおねしょしてしまう、という場合も多いでしょう。夜におしっこをしなくなるためには、「膀胱が大きくなっていること」と「抗利尿ホルモン」という睡眠時に尿の量を減らすホルモンが分泌されることが必要です。
これらは、身体の成長なので、その時期が来るのを待つしかありません。おねしょが続くうちは夜用のオムツを履かせてあげましょう。朝一番で、オムツが濡れていない日が続いてきたら、夜もパンツにすることができます。
トイレに誘う・声かけアイディア
3歳になると、トイレに行きたくない理由もさまざまです。お子さんの気持ちに沿った声かけをしてあげましょう。
【遊びに夢中のとき】
お子さんが遊びに夢中の場合、「トイレに行こう」と誘っても無理なことが多いです。特に男の子だと、声をかけられていることに気づかないこともあります。
おうちのかたはお子さんの近くまで行って、目線を同じにして、「遊びが終わったら、トイレに行こうか?」と声かけをしましょう。そのとき、「トイレが終わったら、また遊びに戻ってもいいよ」ということも伝えます。それでもいやがるお子さんの場合は「トイレが終わったら、新しい遊びをしよう」「おやつを食べよう」などと新たなお楽しみを提案してみてもいいですね。
【トイレが嫌いな場合】
トイレが嫌いなお子さんの場合、もう一度トイレの環境を見直してみましょう。
● トイレを明るく清潔にしてみる
● お子さんが好きなキャラクターでデコレーションしてみる
● 新しくシールを貼る台紙を用意する
など環境を整えて、「トイレが新しくなったから、見に来て」と誘ってみましょう。
どうしてもトイレに行きたくない、というお子さんなら、トイレ以外の場所で「おまる」を使用することから始めましょう。大切なことは無理強いしないことです。お子さんができることから、少しずつ進めていきましょう。
【「オムツがいい」という場合】
オムツは赤ちゃんのもので、かっこいい「お兄ちゃんパンツ」、可愛い「お姉ちゃんパンツ」を履いてもいいことを伝えて、一緒にパンツを選んでもらいましょう。
おもらしをしたときには「新しいパンツにすると気持ちいいね」と乾いた感触が心地いいことを、おうちのかたが言葉にして言ってあげるといいでしょう。
【赤ちゃん返りをしているとき】
お子さんは普段以上に「自分のことを見て」と思っています。赤ちゃんが眠っているときなどは、お子さんと二人きりの時間を作ってあげて、「大好きだよ」「いつも赤ちゃんのお世話が終わるの待っていてくれてありがとう」と、お子さんのことが大切だよという言葉をたくさんかけてあげましょう。
トイレに行くときは、「赤ちゃんには待っていてもらおうね」と、おうちのかたを独り占めできる時間として、誘ってみるといいでしょう。
【イヤイヤ期や自我が芽生えたお子さんの場合】
「おうちのかたに言われたとおりにするのがいや」で「自分で決めたい」気持ちが芽生えたお子さんには、お子さんに決定権、選択権を与えるような声かけをしてみましょう。
● 「トイレ、今から行く? 遊びが終わってから行く?」
● 「おしっこできたときのごほうび、何がいい?」
● 「どのパンツにする?」
というように、お子さんが決める形にすると、自分で決めたことはできるお子さんも多いです。自分で決めたことができたときには、「すごいね」「よくできたね」とたくさんほめてあげましょう。
保育園・幼稚園通いのトイレトレーニング方法
3歳になると、保育園だけでなく、幼稚園に通い始めるお子さんもいますね。集団生活ではどのように対応していけばよいのでしょうか。
保育園は園と協力して進めていく
保育園は、園の方針によって、一人ひとりに合わせてくれる場合や、1歳を過ぎた頃から一斉にトイレに座らせる場合など、トイレトレーニングの方法はさまざまです。
大切なことは、園と密に連絡を取り合って、トイレトレーニングを始めるタイミングや、進め方をおうちでも同じペースになるようにすることです。トイレトレーニングのおうちでの進み具合や気になることは、こまめに園と共有するようにしましょう。
「保育園がやってくれるから」と園に任せっぱなしにして、家では何もせずオムツを履かせたままでいると、保育園でのトイレトレーニングがうまく進みません。保育園と協力してトイレトレーニングを進めていくことが、成功のカギです。
幼稚園のトイレトレーニング事情
3年保育の幼稚園の場合、入園時にはまだ3歳になりたてのお子さんもいますが、「入園前にトイレトレーニングを終わらせなくては」と焦っているおうちのかたも多いのではないでしょうか。
もし、入園前に終わっていない場合は、おうちでの進み具合と入園後のトイレトレーニングについて、幼稚園と相談しておきましょう。幼稚園でも引き続きトイレトレーニングをしてもらうことが可能な場合が多いです。
実際、幼稚園に行くと、まわりのお友だちが子ども用トイレに行くのを見て、「自分もできるようになりたい」という気持ちが芽生えます。入園後パンツになるまでには、そんなに時間がかかることはありません。おうちのかたは心配しすぎないようにしてあげてくださいね。
トイレトレーニングを通じてお子さんは大きく成長します!
3歳のトイレトレーニングで大切なことは、「自律性」と「やる気」です。自分でトイレに行けるようになることはお子さんの自信につながり、自己肯定感を育ててくれます。自己肯定感は、社会のルールに従うことや感情のコントロールができるための土台となっていきます。また、トイレトレーニングでの失敗体験によって、「次は失敗しないでほめられるように頑張ろう」というやる気を得られます。
トイレトレーニングは、お子さんの大きな成長の一歩です。大切なことは、おうちのかたが「叱らない」「ほめる」ということです。おうちのかたの焦る気持ちは、プレッシャーとなってお子さんに伝わります。お子さんを信じ、お子さんの成長を楽しみに、あと少しのトイレトレーニングを乗り切ってくださいね。
こどもちゃれんじでは、年齢に合わせて自分からトイレに行きたくなる教材をご用意しているから、無理なく楽しくトイレトレーニングができます。
お子さまの年齢に合った教材をぜひチェックしてみてください!
プロフィール
臨床心理士監修:須々木真紀子
「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)
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