【臨床心理士監修】アンケートの結果から、2歳半までにトイレトレーニングを始めているかたが約5割います。イヤイヤ期で何でもいやがる2歳児にやる気をもたせ、うまくいかなくてもおうちのかたがイライラしないための進め方とコツを詳しく解説します。
2歳からのトイレトレーニングのポイント
2歳になると「イヤイヤ期」が始まるお子さんが多く、トイレトレーニングを進めようと思っても、うまくいかないこともよくあります。一方で、2歳になると心身の発達はめざましく、トイレトレーニングがうまくいけば、どんどん進む時期でもあります。
おうちのかたは、2歳のお子さんの特徴をよく知って、それに合わせたトイレトレーニングをすることが大切です。
アンケートの結果から、5割が2歳半までに始めています
アンケート:何歳の時にオムツはずれをはじめましたか?
アンケート調査では、約5割のお子さんが、2歳半までにトイレトレーニングを始めています。2歳になると、急激に言葉も増え、トイレについても理解し、興味を示し始める頃。おうちのかたもそういうお子さんを見ていて、「そろそろトイレトレーングができるかも」と感じるようです。
成功の秘訣は本人のやる気
上の表は2歳のお子さんの発達の目安です。「言葉が増えて自分の意思をしっかり伝えられる」といった心の発達と、「手先が器用になって、色々な動作ができる」といった体の発達が目覚ましい時期であることがわかります。2歳は、トイレトレーニングを始めるのに適した時期だと言えるでしょう。
また、自分よりも小さな赤ちゃんを見て「あかちゃん」と呼ぶなど、「赤ちゃんではない成長した自分」を認識するようになります。一方、「赤ちゃんではないけれど本当は甘えたい」「失敗したくないのにうまくできない」「色々やりたいのに不安もある」というように、気持ちが大きく揺れ動く時期でもあります。それが、イヤイヤ期となって現れてくるのが2歳という時期なのです。
2歳のトイレトレーニングの成功の秘訣は、いかに「本人のやる気」を引き出せるかです。イヤイヤ期の中で、お子さんが「自分でやってみたい」気持ちになれることが、成功のカギなのです。
言葉や遊びでトイレを理解することができる
2歳になると、まわりでもトイレトレーニングを始めるお友だちが増えてきます。2歳児なら「トイレ」や「おしっこ」「うんち」といった言葉の意味や、トイレに行くという行為についても、十分理解することができます。
絵本や映像教材、アプリなどを使って、楽しくトイレについて理解を深めていくと、自然と「自分もやってみたい」と興味をもつようになるのがこの時期の特徴です。
イヤイヤ期でも心配しないで
2歳のトイレトレーニングの悩みで一番多いのが、「イヤイヤ期」への対応です。イヤイヤ期は心身が成長したサインでもあります。そして、「いや」がはっきり言えるお子さんは、自分でトイレに行ける能力も十分に備わっていることが多いです。
イヤイヤ期のお子さんは自我が発達してくるので、今までとは違い、おうちのかたに指示されることを嫌います。お子さんが自然とトイレに興味をもつような工夫をしていくことが大切です。
● トイレに行くお友だちの様子を見せて「自分にもできる!」という競争心を刺激する
● おしっこやうんちができたらシール等のごほうびがもらえるという、ゲーム性を取り入れる
● オムツは赤ちゃんのものだからと説明し、「お兄ちゃんパンツ」や「お姉ちゃんパンツ」を履こうと伝える
また、イヤイヤ期のお子さんは「自分で決めたい」という気持ちが強いので、お子さんに選択肢や決定権を与えてみると、自分で決めたことはしっかりとやり遂げてくれる場合が多いです。
● 「ご飯の前にトイレに行く? それとも後に行く?」
● 「今日はどのパンツを履くか、自分で選んでね」
● 「おしっこができたときのごほうびは何がいい?」
というように声かけをして、お子さんが「自分で選ぶ」ということを取り入れながら、トイレトレーニングを進めていくのも一つの方法です。
オムツはずれ、みんなはどれぐらいの期間かけているの?
トイレトレーニングを始めると、まわりのお友だちがどんどん成功していくのを見て焦ることも多いでしょう。他のお子さんがトイレトレーニングにどれぐらいの期間をかけているのかを見てみましょう。
アンケート:オムツはずれにどれくらいの期間がかかりましたか?
アンケートでは、約7割の人が3ヵ月以上かかっている、と答えています。また、約3割は3ヵ月未満ですが、半年以上、1年以上かかっているお子さんもいます。トイレトレーニングの進み具合は個人差が大きいので、まわりと比較せず、お子さんのペースを優先して進めていくことが大切です。
2歳のトイレトレーニングの進め方
2歳のトイレトレーニングについて、ポイントとなる「お子さんの気持ち」や「おうちのかたの声かけのコツ」を中心に、進め方を解説していきましょう。
ステップ1. 準備ができているか、確認しよう
まず始めに、お子さんが「トイレ」や「おしっこ」「うんち」について、その言葉の指す意味がわかっているかどうかを確認しましょう。理解していない場合は、おうちのかたのトイレを見せてあげたり、絵本や映像教材などを利用したりして、トイレについて知ってもらうところから始めます。
トイレへの興味がわいてくると、「自分もやってみたい」「自分もできるはず」という気持ちが芽生えてきます。それから、次のステップに進みましょう。
ステップ2. 生活の区切りでトイレに誘って、便座やおまるに座ってみる
お子さんがおしっこやうんちを理解してきたら、最初はおうちのかたが誘う形でもよいので、トイレに行ってみましょう。トイレに誘うタイミングは、「起床時」「食事の前後」「出かける前」など生活の区切りにします。
トイレに入ったら、補助便座やおまるがお子さんのものであることを伝え、自分で座ってもらいましょう。もし、うまくおしっこやうんちができたら、「よくできたね」といっぱいほめてあげてください。2歳のお子さんなら、トイレットペーパーの使い方、水を流すこと、手を洗うことなど、トイレでの一連の動作も一つひとつ教えてあげれば、すぐにできるようになることが多いです。
ステップ3. 「おしっこ」や「うんち」を自分から教えてくれるようになる
トイレへの理解が進めば、自分がオムツの中で、「おしっこをした」「うんちが出た」というのがわかるようになってきます。そうなるためにも、日ごろからオムツ替えのときにおうちのかたが「おしっこ出たね」と声かけをしてあげるといいでしょう。
2歳児の中には、おしっこやうんちと言うのが恥ずかしいと思うお子さんもいます。そういうお子さんには、「食べたものがうんちやおしっこになること」や「皆がうんちやおしっこをトイレでしていること」などを絵本や教材を使って説明してあげましょう。トイレに行くことがとても大切なことだとわかると、恥ずかしいという気持ちはなくなるでしょう。
お子さんが自分でトイレやおしっこ、うんちが言えたときは、「よく言えたね」とたくさんほめてあげましょう。小さなことでも「ほめる」→「自信をつける」を繰り返していくのが、トイレトレーニングの基本です。
最初のうちは、「おしっこ」が言えても間に合わなかったり、トイレに行っても出なかったり…と失敗することも多いでしょう。もしうまくできなくても、絶対におうちのかたは、叱らないようにしてください。トイレトレーニングは、お子さんの成長の大きなステップです。時間がかかっても自分でできるように、大らかな気持ちでサポートしてあげましょう。
ステップ4. トレーニングパンツや布パンツを履いてみる
トイレに行って、「おしっこ」や「うんち」が5割位成功するようになってきたら、昼間はトレーニングパンツか布パンツを履かせてみましょう。「パンツの中でおしっこをすると、濡れて気持ち悪い」ということがわかれば、失敗しないように自分からトイレに行くことができるようになるでしょう。
男の子と女の子は違うの?
2歳のトイレトレーニング、男の子と女の子で違いはあるのでしょうか? 大きくは変わりませんが、興味の対象や遊びの内容に、少しずつ違いが出てくる年齢でもあります。それぞれのトイレトレーニングが楽しくなるアイディアを紹介します。
男の子はゲーム性や遊びの要素を取り入れて
男の子の場合は、トイレトレーニングにゲームや遊びの要素を少し加えると、喜んでトイレに興味をもってくれます。おしっこが当たるとキャラクターが現れるシートを便器に貼ったり、うまくできたときにシールを貼るカレンダーを用意するのもいいでしょう。ちょっとした工夫でトイレに行くことが楽しくなるので、お子さんの様子を見ながら取り入れてみましょう。
女の子はお友だちやお姉ちゃんに憧れの気持ちをもってもらう
女の子は、「お友だちやお姉ちゃんと一緒」が大好きです。「私もマネしてみたい!」という気持ちがわく時期なので、それを刺激してみるといいでしょう。「私もパンツを履けるようになりたい」と憧れの気持ちをもつようになると、トイレトレーニングがスムーズに進みます。
2歳児のオムツはずれエピソード集
2歳児の数だけ、オムツはずれエピソードがあります。お子さんにも当てはまるお話があると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
教えてくれない。おもらしを何度もしてしまう
トイレのこともおしっこやうんちのこともわかっているはずなのに、教えてくれない、パンツの中でおもらしをしてしまう…。トイレトレーニング中によくある悩みです。
おうちのかたは「どうしてできないの」と叱りたくなることもあるでしょうが、決して叱らないことが大切です。その前に、お子さんがおもらしをしてしまう原因を考えてみましょう。
遊びに夢中になるタイプのお子さんは、集中力が高く、どうしてもトイレのことを忘れてしまいがちです。その場合は、遊びの前や後にタイミングを見ておうちのかたが声かけをしてあげるといいでしょう。
2歳の場合、下のお子さんが生まれたばかりというおうちもあるでしょう。そのときは、お子さんが「赤ちゃん返り」をしている可能性があります。おもらしをすることで、おうちのかたが自分の世話をしてくれることが嬉しいのです。そういうお子さんの気持ちを理解してあげましょう。
なるべくお子さんとのスキンシップを増やして、「赤ちゃんだけでなく、あなたも大切よ」ということを伝えてあげると、お子さんの気持ちが落ち着いて、トイレトレーニングに向かえるようになってきます。
トイレには座るけど、なかなかできない
「トイレ」と言うことはできても、いざ便座に座ってみると、なかなか出ない…そんなケースもよくあります。2歳のお子さんの場合、自分で尿意や便意を感じることは、まだ難しい場合もあるので、間違えてしまうのは当たり前。まずは、自分で「トイレ」と言えたことを十分にほめてあげましょう。
「今日はちゃんとトイレって言えて偉かったね。次はトイレでおしっこしてみようね」。そうやって、一つひとつ小さな成功を積み重ねるようにして、トイレトレーニングを進めていくと、お子さんも自信を失うことなく、いつか自分でトイレに行けるようになります。
おしっこはできるようになったけど、うんちはオムツでしてしまう
おしっこに比べて、うんちができるようになるのが少し遅れるお子さんは多いのです。実際、便意を感じてそれをトイレまで我慢できるようになるには、2歳ではまだ少し早く、3歳から4歳頃だと言われています。
特に女の子の場合、便秘のお子さんも多いので、時間がかかる場合は、うんちがスムーズに出るか気にかけてあげましょう。もし、便秘の場合は、早急に便秘への対策が必要です。便秘のお子さんには
● 水分をこまめに摂る
● 身体を動かす
● 野菜や果物、豆類など食物繊維の多い食事を心がける
などが有効です。
イヤイヤ期こそ成長期! おうちのかたがイライラしないことが一番
2歳といえば、プレ幼稚園やおけいこ事を始めるお子さんも増えてきます。ついついまわりのお子さんと比較してしまい、おうちのかたが焦ることも多い時期です。そこにお子さんの「イヤイヤ期」が重なると、おうちのかたのイライラはピークに達してしまいます。そんな状態でトイレトレーニングをしても、なかなかうまくは進みません。
まずは、おうちのかたが気持ちに余裕をもつことが大切です。お子さんとの関係が険悪になるのなら、しばらくトイレトレーニングはお休みする、ということも大切です。
イヤイヤ期はお子さんの成長の証(あかし)です。お子さんの気持ちに寄り添って、「自分でやりたい」気持ちをうまく引き出せば、あっという間にトイレに行けるようになる、というケースもよくあります。おうちのかたもお子さんもゆったりした気持ちで、「無理をせず、焦らず、叱らず」を心がけましょう。お子さんの力を信じて、イヤイヤ期のトイレトレーニングを乗り切ってくださいね。
こどもちゃれんじでは、年齢に合わせて自分からトイレに行きたくなる教材をご用意しているから、無理なく楽しくトイレトレーニングができます。
お子さまの年齢に合った教材をぜひチェックしてみてください!
プロフィール
臨床心理士監修:須々木真紀子
「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)
【臨床心理士監修】アンケートの結果から、2歳半までにトイレトレーニングを始めているかたが約5割います。イヤイヤ期で何でもいやがる2歳児にやる気をもたせ、うまくいかなくてもおうちのかたがイライラしないための進め方とコツを詳しく解説します。
2歳からのトイレトレーニングのポイント
2歳になると「イヤイヤ期」が始まるお子さんが多く、トイレトレーニングを進めようと思っても、うまくいかないこともよくあります。一方で、2歳になると心身の発達はめざましく、トイレトレーニングがうまくいけば、どんどん進む時期でもあります。
おうちのかたは、2歳のお子さんの特徴をよく知って、それに合わせたトイレトレーニングをすることが大切です。
アンケートの結果から、5割が2歳半までに始めています
アンケート:何歳の時にオムツはずれをはじめましたか?
アンケート調査では、約5割のお子さんが、2歳半までにトイレトレーニングを始めています。2歳になると、急激に言葉も増え、トイレについても理解し、興味を示し始める頃。おうちのかたもそういうお子さんを見ていて、「そろそろトイレトレーングができるかも」と感じるようです。
成功の秘訣は本人のやる気
上の表は2歳のお子さんの発達の目安です。「言葉が増えて自分の意思をしっかり伝えられる」といった心の発達と、「手先が器用になって、色々な動作ができる」といった体の発達が目覚ましい時期であることがわかります。2歳は、トイレトレーニングを始めるのに適した時期だと言えるでしょう。
また、自分よりも小さな赤ちゃんを見て「あかちゃん」と呼ぶなど、「赤ちゃんではない成長した自分」を認識するようになります。一方、「赤ちゃんではないけれど本当は甘えたい」「失敗したくないのにうまくできない」「色々やりたいのに不安もある」というように、気持ちが大きく揺れ動く時期でもあります。それが、イヤイヤ期となって現れてくるのが2歳という時期なのです。
2歳のトイレトレーニングの成功の秘訣は、いかに「本人のやる気」を引き出せるかです。イヤイヤ期の中で、お子さんが「自分でやってみたい」気持ちになれることが、成功のカギなのです。
言葉や遊びでトイレを理解することができる
2歳になると、まわりでもトイレトレーニングを始めるお友だちが増えてきます。2歳児なら「トイレ」や「おしっこ」「うんち」といった言葉の意味や、トイレに行くという行為についても、十分理解することができます。
絵本や映像教材、アプリなどを使って、楽しくトイレについて理解を深めていくと、自然と「自分もやってみたい」と興味をもつようになるのがこの時期の特徴です。
イヤイヤ期でも心配しないで
2歳のトイレトレーニングの悩みで一番多いのが、「イヤイヤ期」への対応です。イヤイヤ期は心身が成長したサインでもあります。そして、「いや」がはっきり言えるお子さんは、自分でトイレに行ける能力も十分に備わっていることが多いです。
イヤイヤ期のお子さんは自我が発達してくるので、今までとは違い、おうちのかたに指示されることを嫌います。お子さんが自然とトイレに興味をもつような工夫をしていくことが大切です。
● トイレに行くお友だちの様子を見せて「自分にもできる!」という競争心を刺激する
● おしっこやうんちができたらシール等のごほうびがもらえるという、ゲーム性を取り入れる
● オムツは赤ちゃんのものだからと説明し、「お兄ちゃんパンツ」や「お姉ちゃんパンツ」を履こうと伝える
また、イヤイヤ期のお子さんは「自分で決めたい」という気持ちが強いので、お子さんに選択肢や決定権を与えてみると、自分で決めたことはしっかりとやり遂げてくれる場合が多いです。
● 「ご飯の前にトイレに行く? それとも後に行く?」
● 「今日はどのパンツを履くか、自分で選んでね」
● 「おしっこができたときのごほうびは何がいい?」
というように声かけをして、お子さんが「自分で選ぶ」ということを取り入れながら、トイレトレーニングを進めていくのも一つの方法です。
オムツはずれ、みんなはどれぐらいの期間かけているの?
トイレトレーニングを始めると、まわりのお友だちがどんどん成功していくのを見て焦ることも多いでしょう。他のお子さんがトイレトレーニングにどれぐらいの期間をかけているのかを見てみましょう。
アンケート:オムツはずれにどれくらいの期間がかかりましたか?
アンケートでは、約7割の人が3ヵ月以上かかっている、と答えています。また、約3割は3ヵ月未満ですが、半年以上、1年以上かかっているお子さんもいます。トイレトレーニングの進み具合は個人差が大きいので、まわりと比較せず、お子さんのペースを優先して進めていくことが大切です。
2歳のトイレトレーニングの進め方
2歳のトイレトレーニングについて、ポイントとなる「お子さんの気持ち」や「おうちのかたの声かけのコツ」を中心に、進め方を解説していきましょう。
ステップ1. 準備ができているか、確認しよう
まず始めに、お子さんが「トイレ」や「おしっこ」「うんち」について、その言葉の指す意味がわかっているかどうかを確認しましょう。理解していない場合は、おうちのかたのトイレを見せてあげたり、絵本や映像教材などを利用したりして、トイレについて知ってもらうところから始めます。
トイレへの興味がわいてくると、「自分もやってみたい」「自分もできるはず」という気持ちが芽生えてきます。それから、次のステップに進みましょう。
ステップ2. 生活の区切りでトイレに誘って、便座やおまるに座ってみる
お子さんがおしっこやうんちを理解してきたら、最初はおうちのかたが誘う形でもよいので、トイレに行ってみましょう。トイレに誘うタイミングは、「起床時」「食事の前後」「出かける前」など生活の区切りにします。
トイレに入ったら、補助便座やおまるがお子さんのものであることを伝え、自分で座ってもらいましょう。もし、うまくおしっこやうんちができたら、「よくできたね」といっぱいほめてあげてください。2歳のお子さんなら、トイレットペーパーの使い方、水を流すこと、手を洗うことなど、トイレでの一連の動作も一つひとつ教えてあげれば、すぐにできるようになることが多いです。
ステップ3. 「おしっこ」や「うんち」を自分から教えてくれるようになる
トイレへの理解が進めば、自分がオムツの中で、「おしっこをした」「うんちが出た」というのがわかるようになってきます。そうなるためにも、日ごろからオムツ替えのときにおうちのかたが「おしっこ出たね」と声かけをしてあげるといいでしょう。
2歳児の中には、おしっこやうんちと言うのが恥ずかしいと思うお子さんもいます。そういうお子さんには、「食べたものがうんちやおしっこになること」や「皆がうんちやおしっこをトイレでしていること」などを絵本や教材を使って説明してあげましょう。トイレに行くことがとても大切なことだとわかると、恥ずかしいという気持ちはなくなるでしょう。
お子さんが自分でトイレやおしっこ、うんちが言えたときは、「よく言えたね」とたくさんほめてあげましょう。小さなことでも「ほめる」→「自信をつける」を繰り返していくのが、トイレトレーニングの基本です。
最初のうちは、「おしっこ」が言えても間に合わなかったり、トイレに行っても出なかったり…と失敗することも多いでしょう。もしうまくできなくても、絶対におうちのかたは、叱らないようにしてください。トイレトレーニングは、お子さんの成長の大きなステップです。時間がかかっても自分でできるように、大らかな気持ちでサポートしてあげましょう。
ステップ4. トレーニングパンツや布パンツを履いてみる
トイレに行って、「おしっこ」や「うんち」が5割位成功するようになってきたら、昼間はトレーニングパンツか布パンツを履かせてみましょう。「パンツの中でおしっこをすると、濡れて気持ち悪い」ということがわかれば、失敗しないように自分からトイレに行くことができるようになるでしょう。
男の子と女の子は違うの?
2歳のトイレトレーニング、男の子と女の子で違いはあるのでしょうか? 大きくは変わりませんが、興味の対象や遊びの内容に、少しずつ違いが出てくる年齢でもあります。それぞれのトイレトレーニングが楽しくなるアイディアを紹介します。
男の子はゲーム性や遊びの要素を取り入れて
男の子の場合は、トイレトレーニングにゲームや遊びの要素を少し加えると、喜んでトイレに興味をもってくれます。おしっこが当たるとキャラクターが現れるシートを便器に貼ったり、うまくできたときにシールを貼るカレンダーを用意するのもいいでしょう。ちょっとした工夫でトイレに行くことが楽しくなるので、お子さんの様子を見ながら取り入れてみましょう。
女の子はお友だちやお姉ちゃんに憧れの気持ちをもってもらう
女の子は、「お友だちやお姉ちゃんと一緒」が大好きです。「私もマネしてみたい!」という気持ちがわく時期なので、それを刺激してみるといいでしょう。「私もパンツを履けるようになりたい」と憧れの気持ちをもつようになると、トイレトレーニングがスムーズに進みます。
男の子、女の子のトイレトレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2歳児のオムツはずれエピソード集
2歳児の数だけ、オムツはずれエピソードがあります。お子さんにも当てはまるお話があると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
教えてくれない。おもらしを何度もしてしまう
トイレのこともおしっこやうんちのこともわかっているはずなのに、教えてくれない、パンツの中でおもらしをしてしまう…。トイレトレーニング中によくある悩みです。
おうちのかたは「どうしてできないの」と叱りたくなることもあるでしょうが、決して叱らないことが大切です。その前に、お子さんがおもらしをしてしまう原因を考えてみましょう。
遊びに夢中になるタイプのお子さんは、集中力が高く、どうしてもトイレのことを忘れてしまいがちです。その場合は、遊びの前や後にタイミングを見ておうちのかたが声かけをしてあげるといいでしょう。
2歳の場合、下のお子さんが生まれたばかりというおうちもあるでしょう。そのときは、お子さんが「赤ちゃん返り」をしている可能性があります。おもらしをすることで、おうちのかたが自分の世話をしてくれることが嬉しいのです。そういうお子さんの気持ちを理解してあげましょう。
なるべくお子さんとのスキンシップを増やして、「赤ちゃんだけでなく、あなたも大切よ」ということを伝えてあげると、お子さんの気持ちが落ち着いて、トイレトレーニングに向かえるようになってきます。
トイレには座るけど、なかなかできない
「トイレ」と言うことはできても、いざ便座に座ってみると、なかなか出ない…そんなケースもよくあります。2歳のお子さんの場合、自分で尿意や便意を感じることは、まだ難しい場合もあるので、間違えてしまうのは当たり前。まずは、自分で「トイレ」と言えたことを十分にほめてあげましょう。
「今日はちゃんとトイレって言えて偉かったね。次はトイレでおしっこしてみようね」。そうやって、一つひとつ小さな成功を積み重ねるようにして、トイレトレーニングを進めていくと、お子さんも自信を失うことなく、いつか自分でトイレに行けるようになります。
おしっこはできるようになったけど、うんちはオムツでしてしまう
おしっこに比べて、うんちができるようになるのが少し遅れるお子さんは多いのです。実際、便意を感じてそれをトイレまで我慢できるようになるには、2歳ではまだ少し早く、3歳から4歳頃だと言われています。
特に女の子の場合、便秘のお子さんも多いので、時間がかかる場合は、うんちがスムーズに出るか気にかけてあげましょう。もし、便秘の場合は、早急に便秘への対策が必要です。便秘のお子さんには
● 水分をこまめに摂る
● 身体を動かす
● 野菜や果物、豆類など食物繊維の多い食事を心がける
などが有効です。
イヤイヤ期こそ成長期! おうちのかたがイライラしないことが一番
2歳といえば、プレ幼稚園やおけいこ事を始めるお子さんも増えてきます。ついついまわりのお子さんと比較してしまい、おうちのかたが焦ることも多い時期です。そこにお子さんの「イヤイヤ期」が重なると、おうちのかたのイライラはピークに達してしまいます。そんな状態でトイレトレーニングをしても、なかなかうまくは進みません。
まずは、おうちのかたが気持ちに余裕をもつことが大切です。お子さんとの関係が険悪になるのなら、しばらくトイレトレーニングはお休みする、ということも大切です。
イヤイヤ期はお子さんの成長の証(あかし)です。お子さんの気持ちに寄り添って、「自分でやりたい」気持ちをうまく引き出せば、あっという間にトイレに行けるようになる、というケースもよくあります。おうちのかたもお子さんもゆったりした気持ちで、「無理をせず、焦らず、叱らず」を心がけましょう。お子さんの力を信じて、イヤイヤ期のトイレトレーニングを乗り切ってくださいね。
こどもちゃれんじでは、年齢に合わせて自分からトイレに行きたくなる教材をご用意しているから、無理なく楽しくトイレトレーニングができます。
お子さまの年齢に合った教材をぜひチェックしてみてください!
プロフィール
臨床心理士監修:須々木真紀子
「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)
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