大人が楽しんだら、子どもはもっと楽しい。

大人が楽しんだら、子どもはもっと楽しい。 タイトル画像

 カラフルでスタイリッシュな世界観と、あっと驚く展開で子どもから大人まで楽しめる絵本が人気のtupera tuperaさん。亀山達矢さんと中川敦子さんのユニットでご活動されています。
 絵本のほかにも、イラスト、ワークショップ、舞台美術、TVや空間のアートディレクションなど、様々な分野でご活躍のお二人に、アイデアの生み出し方から、子ども時代の話、ご夫婦でもあるお二人の子育て観について、お話をうかがいました。

脳みそ2つで考えるから
アイデアが活性化される

― ユニットでご活躍されているお二人は、どのように制作を分担されていらっしゃるのでしょうか。

亀山:作るものによっても違いますが、最初にぱっとひらめくのはどちらかというと僕が得意で、構成を練っていくのは中川が得意です。たとえて言うなら、僕は短距離走型、中川はマラソン型でしょうか。
「ユニット」の良さは、アイデアを一度自分の脳みそから切り離して考えられることだと思います。相手にバトンを渡すことで、ブラッシュアップできる。それで面白くなっているときも、そうでないときももちろんありますが、どちらにしろ、活性化されます。

 

中川:二人で話していくうちに、自分の中の正解がわかったり、相手の意外な発想を取り入れられたりもしますね。

 

亀山:自分が面白いって思ったことを相手も面白いって思ってもらえたら、そのアイデアは“確信”に変わります。僕たちの絵本は、絵から入るのか、文章から入るのか、とよく聞かれますが、「アイデア」から入ることが多いですね。アイデアからスタートして、技法を考え、文章を考えていくことが多いです。

 

亀山:「しろくまのパンツ」は、中身ゼロの状態で、まずは表紙のアイデアを思いつきました。「本にパンツ履かせたら面白いかも」と思って。ブロンズ新社の編集のかたにそのことを話したら、一緒に本気で面白がってくれました。パンツが破けたら替えのパンツ(本の帯)を送るというアフターサービスのアイデアも、編集側からの提案なんですよ。

 

中川:亀山との制作もそうですが、人と一緒にものを作っていくのが、私たちは好きですね。
たとえば、「かおノート」は、読者が参加してくれて、初めて完成する絵本です。その一瞬の出会いを、いつも大事にしたいと思っています。

 

亀山:僕たちが面白いと思ったものを、他の人に投げかけて広げたり、ワークショップで言えば、何かを教えるのではなく、ひとりひとりの個性を楽しんだり。それが僕たちのものづくりだと思っています。

「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)

「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)
まずはパンツを脱がないと本がめくれない!
斬新なアイデアで、本を開く前から楽しめる絵本。
10か国で翻訳され、世界中で楽しまれている。

子どものときには
いろんな大人に出会うことが大事

― お二人はどんな子ども時代を過ごされましたか?

中川:団地の近くに住んでいたのですが、公園の砂場の上の藤棚に登って、空想ごっこをしたり、花壇の花を摘んで、見立て遊びをしたりしていました。絵を描くのは、物心がつきはじめたころから好きでしたね。おばあちゃんが、広告の裏の白紙を残してくれていて、それにお絵描きをしていました。小学校以降は、絵を描くことが好きで、得意だということが、自分の自信になっていた気がします。友だちに頼まれて、キラキラの目の女の子とかの絵を描いていました。

 

亀山:小1のときに学校の授業で、絵を描いていたときに、提出前に絵にバケツの水をこぼしてしまいました。慌ててぞうきんで拭いたら、全体がグレーっぽくなってしまって。
ドライヤーで乾かして出したら、その絵がなんと入賞し、三重県の美術館に飾られることに(笑)。水をこぼしたって言えなかったのですが、親せきみんなが絵の才能があるんじゃないかと言い始めて、油絵を習うことになりました。その後、途中で絵を描くことには興味がなくなったのですが、美大(絵の世界)には面白い人がたくさんいるんじゃないか!と思い、美大を目指すことにしました。

― 今は二人の子どもをお持ちのお父さん、お母さんでもいらっしゃいますが、ふだん、どのような子育てをされていらっしゃいますか。

中川:下の息子は6歳、上の娘は10歳ですが、子どもとの日常は、ごく普通だと思います。
仕事がら、自分たちの子どもにも、さぞ特別なことをしてあげているのではと思われがちですが、特に何もしてません(笑)。
しいて言えば、作るものは、作らないことも含めて、その子の自由なので、親は材料を揃えてあげることぐらいですかね。たとえば、何か作りたくなったときに、すぐ手の届くところに道具があったり、工作につかえそうな空き箱やヒモなどの材料を残しておいてあげたり、やりたいときにすぐにできる環境を作ってあげるのは、大人の仕事かなと思います。

 

亀山:自分たちのイベントやワークショップには、よく子どもたちを連れて行っていますね。
親の仕事につきあってもらっているところもありますが、いろんな場所に行って、いろんな人に出会えることは、子ども達にとってもいい経験になっているんじゃないかと思います。
おかげで子どもたちは、あんまり人見知りがないですよ。

 

中川:いろんな形で先を生きる大人たちの姿をみせることで、これからの可能性がたくさんあることを伝えられたらなと思っています。

 

亀山:大事なのは「大人」なんです。子どもって、何をやっても楽しめるんですよ。ワークショップをやるときも、大人が〝付き添い″で来ていたりもしますが、僕は大人にこそ楽しんでもらいたいと思っています。お父さん、お母さんが楽しんでいたら、それだけで子どもは嬉しいですし、もっと楽しめるようになるからです。
大人から子どもまで共通しているのは、「子どもを経験している」ってこと。子どもを経験してからじゃなきゃ大人になれない。子どもは大人の内側にあります。大人も子どもの部分を楽しめるのがいいですよね。
一緒に楽しみましょう。

 

―いかがでしたでしょうか?

 tupera tuperaさんには、ユニットとしての作品の生み出し方から、ご自身の子ども時代や子育てについてのお話をうかがいました。

 

 <こどもちゃれんじ>でも、子どもが楽しい、親子で楽しい遊びを教材として年齢別にお届けしています。
教材は毎月絵本、映像、ワーク、エデュトイをセットでお届けし※、その月々の学びのテーマが連動しているので、取り組みやすいのが特徴です。おうちのかたも一緒に楽しめる内容ですので、ぜひお子さまと一緒に遊びながら、「考える力」を育んでいきませんか?

<こどもちゃれんじ>の紹介はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/

※年中・年長さん向けの一部コースではお届けの教材が異なります。

tupera tupera(ツペラ ツペラ)のお二人

お話を伺った人

tupera tupera(ツペラ ツペラ)

絵本やイラストレーションをはじめ、工作ワークショップ、舞台美術、アニメーションなど、様々な分野で幅広く活動している。著書に「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)、「かおノート」(コクヨS&T)、「パンダ銭湯」(絵本館)、「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)など、多数。

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 カラフルでスタイリッシュな世界観と、あっと驚く展開で子どもから大人まで楽しめる絵本が人気のtupera tuperaさん。亀山達矢さんと中川敦子さんのユニットでご活動されています。
 絵本のほかにも、イラスト、ワークショップ、舞台美術、TVや空間のアートディレクションなど、様々な分野でご活躍のお二人に、アイデアの生み出し方から、子ども時代の話、ご夫婦でもあるお二人の子育て観について、お話をうかがいました。

脳みそ2つで考えるからアイデアが活性化される

― ユニットでご活躍されているお二人は、どのように制作を分担されていらっしゃるのでしょうか。

亀山:作るものによっても違いますが、最初にぱっとひらめくのはどちらかというと僕が得意で、構成を練っていくのは中川が得意です。たとえて言うなら、僕は短距離走型、中川はマラソン型でしょうか。
「ユニット」の良さは、アイデアを一度自分の脳みそから切り離して考えられることだと思います。相手にバトンを渡すことで、ブラッシュアップできる。それで面白くなっているときも、そうでないときももちろんありますが、どちらにしろ、活性化されます。

中川:二人で話していくうちに、自分の中の正解がわかったり、相手の意外な発想を取り入れられたりもしますね。

亀山:自分が面白いって思ったことを相手も面白いって思ってもらえたら、そのアイデアは“確信”に変わります。僕たちの絵本は、絵から入るのか、文章から入るのか、とよく聞かれますが、「アイデア」から入ることが多いですね。アイデアからスタートして、技法を考え、文章を考えていくことが多いです。

亀山:「しろくまのパンツ」は、中身ゼロの状態で、まずは表紙のアイデアを思いつきました。「本にパンツ履かせたら面白いかも」と思って。ブロンズ新社の編集のかたにそのことを話したら、一緒に本気で面白がってくれました。パンツが破けたら替えのパンツ(本の帯)を送るというアフターサービスのアイデアも、編集側からの提案なんですよ。

中川:亀山との制作もそうですが、人と一緒にものを作っていくのが、私たちは好きですね。
たとえば、「かおノート」は、読者が参加してくれて、初めて完成する絵本です。その一瞬の出会いを、いつも大事にしたいと思っています。

亀山:僕たちが面白いと思ったものを、他の人に投げかけて広げたり、ワークショップで言えば、何かを教えるのではなく、ひとりひとりの個性を楽しんだり。それが僕たちのものづくりだと思っています。

「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)

「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)
まずはパンツを脱がないと本がめくれない!
斬新なアイデアで、本を開く前から楽しめる絵本。
10か国で翻訳され、世界中で楽しまれている。

子どものときにはいろんな大人に出会うことが大事

― お二人はどんな子ども時代を過ごされましたか?

中川:団地の近くに住んでいたのですが、公園の砂場の上の藤棚に登って、空想ごっこをしたり、花壇の花を摘んで、見立て遊びをしたりしていました。絵を描くのは、物心がつきはじめたころから好きでしたね。おばあちゃんが、広告の裏の白紙を残してくれていて、それにお絵描きをしていました。小学校以降は、絵を描くことが好きで、得意だということが、自分の自信になっていた気がします。友だちに頼まれて、キラキラの目の女の子とかの絵を描いていました。

亀山:小1のときに学校の授業で、絵を描いていたときに、提出前に絵にバケツの水をこぼしてしまいました。慌ててぞうきんで拭いたら、全体がグレーっぽくなってしまって。
ドライヤーで乾かして出したら、その絵がなんと入賞し、三重県の美術館に飾られることに(笑)。水をこぼしたって言えなかったのですが、親せきみんなが絵の才能があるんじゃないかと言い始めて、油絵を習うことになりました。その後、途中で絵を描くことには興味がなくなったのですが、美大(絵の世界)には面白い人がたくさんいるんじゃないか!と思い、美大を目指すことにしました。

― 今は二人の子どもをお持ちのお父さん、お母さんでもいらっしゃいますが、ふだん、どのような子育てをされていらっしゃいますか。

中川:下の息子は6歳、上の娘は10歳ですが、子どもとの日常は、ごく普通だと思います。
仕事がら、自分たちの子どもにも、さぞ特別なことをしてあげているのではと思われがちですが、特に何もしてません(笑)。
しいて言えば、作るものは、作らないことも含めて、その子の自由なので、親は材料を揃えてあげることぐらいですかね。たとえば、何か作りたくなったときに、すぐ手の届くところに道具があったり、工作につかえそうな空き箱やヒモなどの材料を残しておいてあげたり、やりたいときにすぐにできる環境を作ってあげるのは、大人の仕事かなと思います。

亀山:自分たちのイベントやワークショップには、よく子どもたちを連れて行っていますね。
親の仕事につきあってもらっているところもありますが、いろんな場所に行って、いろんな人に出会えることは、子ども達にとってもいい経験になっているんじゃないかと思います。
おかげで子どもたちは、あんまり人見知りがないですよ。

中川:いろんな形で先を生きる大人たちの姿をみせることで、これからの可能性がたくさんあることを伝えられたらなと思っています。

亀山:大事なのは「大人」なんです。子どもって、何をやっても楽しめるんですよ。ワークショップをやるときも、大人が〝付き添い″で来ていたりもしますが、僕は大人にこそ楽しんでもらいたいと思っています。お父さん、お母さんが楽しんでいたら、それだけで子どもは嬉しいですし、もっと楽しめるようになるからです。
大人から子どもまで共通しているのは、「子どもを経験している」ってこと。子どもを経験してからじゃなきゃ大人になれない。子どもは大人の内側にあります。大人も子どもの部分を楽しめるのがいいですよね。
一緒に楽しみましょう。

 

―いかがでしたでしょうか?

 tupera tuperaさんには、ユニットとしての作品の生み出し方から、ご自身の子ども時代や子育てについてのお話をうかがいました。

 

 <こどもちゃれんじ>でも、子どもが楽しい、親子で楽しい遊びを教材として年齢別にお届けしています。
教材は毎月絵本、映像、ワーク、エデュトイをセットでお届けし※、その月々の学びのテーマが連動しているので、取り組みやすいのが特徴です。おうちのかたも一緒に楽しめる内容ですので、ぜひお子さまと一緒に遊びながら、「考える力」を育んでいきませんか?

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※年中・年長さん向けの一部コースではお届けの教材が異なります。

 

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お話を伺った人

tupera tupera(ツペラ ツペラ)

絵本やイラストレーションをはじめ、工作ワークショップ、舞台美術、アニメーションなど、様々な分野で幅広く活動している。著書に「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)、「かおノート」(コクヨS&T)、「パンダ銭湯」(絵本館)、「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)など、多数。

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