怒りたくないのに、つい怒ってしまったり、先回りして子どものことを何でもやってしまったり…。子育てはなかなかうまくいかないものですよね。どうしたら、子どもの成長をうまくサポートできる親になれるのでしょうか。
『しない子育て』の著者で、長年アドラー心理学を研究している早稲田大学の向後千春先生にお話をうかがいました。
親の課題か、子の課題か 整理することで見えてくる
―冒頭のアンケートにあるように、「つい子どもにイライラして感情的に叱ってしまった」と答えたかたは、1~6歳の子どもをもったおうちのかたの実に95.5%にものぼります。感情的になってしまった原因を探ってみると「朝時間がないのに、なかなかご飯を食べなかった」「急いでいるときに子どもがお茶をこぼした」など、おうちのかたが期待したような行動を子どもができなかったときに、突発的な怒りを爆発させてしまったというかたが多いようです。どうすれば、親自身が怒りをコントロールでき、子どもを叱りすぎずに済むのでしょうか?
 
向後:アドラー心理学には「課題の分離」という考え方があります。まずは親と子の「どちらの課題か」を意識するといいですね。親の課題の大抵は「子どもが心配」というものですが、子どもがうまくいくか、いかないかは「子ども自身の課題」です。例えば、子どもたちがおもちゃの取り合いをしていたとしましょう。よく親は「仲よく遊びなさい」と注意するかもしれません。しかし、「仲良くしてほしい」というのは親の考えや願いであり、子ども自身にとっては「このおもちゃを取られたくない」ほうが課題です。アンケートにあるように、怒りをぶつけてしまうのは、親の「理想や期待」があり、その通りにならない子どもの現実とのギャップに怒りという感情がわいてくるのだと思います。でも、これも親の課題であり、子どもには関係がありません。そのことを理解しておくだけでも、親はいちいち口出ししなくてもいいわけですから、気持ちが楽に、ちょっと見守ってみようかなと思えるのではないでしょうか。
 
アドラー心理学では、「ペアレントトレーニング」と呼ばれる親の教育プログラムがあります。アメリカでは広く普及しています。しかし、まだ日本ではあまり普及していません。自分の子育てが正しいかと不安になるおうちのかたはとても多いのです。しかし、子育てに「正しい」はありません。不安だからと言って、子どもに介入しすぎると子どもの自信が育ちません。子どもを信頼し、先回りした過干渉をやめること。それが、子どもの成長につながります。
 
―子どもの成長にとって、これから重要になってくる力はどのようなものでしょうか?
認知スキルから非認知スキルへ これからの子どもたちに求められるもの
向後:21世紀は教科書を覚えることが中心だった「認知スキル」が求められていましたが、これからは「非認知スキル」がより重要になっていくでしょう。
「非認知スキル」とは、大きく分類すると
 
1.自分をコントロールするスキル、良い習慣を自分でつくる計画をしてそれを実行すること
2.他の人とうまくやるスキル、社会性
 
上記の2つになります。また、この力を育むためには、親は子どもを信頼し、「任せる」という態度がとても大事です。またギリギリのところまで子どもは自然の結末を楽しみ、試行錯誤したり、失敗する体験を通して、学びを最大化することができます。
 
―では、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
親子で何かするときは 教え込むのではなく、一緒に楽しむこと!
ぜひおうちのかたは、お子さんと何か一緒にするときは、上から教え込もうとするのではなく、同じ立場で楽しんでみてください。子どもは教えてもらったことよりも自分自身が「おもしろい!」「楽しい!」と熱中できた体験を記憶しますし、心の中に残ります。そういった体験を親子一緒に積むことで、お子さんの考える力や学ぶ意欲が育つのではないでしょうか。
 
―いかがでしたでしょうか?
 
向後先生には、アドラー心理学の基本的な考え方や、親の在り方について学ばせていただきました。
<こどもちゃれんじ>が目指すものは、子どもに「やりなさい!」と言わなくても、子ども自身が「早くやりたい!」と自分から思えるような驚きと発見がある学びを提供することです。
年齢にピッタリのテーマでお届けするから、たくさんの「やりたい!」「できた!」を体験できる!
たとえば2・3歳向けの教材<ぽけっと>では、覚えた言葉を整理するために必要な「多少・大小・図形」などが学べる「3歳の知育プログラム」があり、2・3歳に必要な知育テーマを自分で試行錯誤しながら、「できた!」「わかった!」と思える体験がいっぱいです。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
<こどもちゃれんじぽけっと>はコチラ
https://shimajiro.benesse.ne.jp/pocket/index.html
お話をうかがった人
向後 千春 先生
早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は教育工学、教育心理学、アドラー心理学。著書に『アドラー式「しない」子育て』(白泉社,2017)『幸せな劣等感』(小学館新書, 2017)、『18歳からの「大人の学び」基礎講座』(北大路書房, 2016)、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』、『アドラー”実践”講義』(技術評論社, 2016, 2014)、『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版, 2014)など。
怒りたくないのに、つい怒ってしまったり、先回りして子どものことを何でもやってしまったり…。子育てはなかなかうまくいかないものですよね。どうしたら、子どもの成長をうまくサポートできる親になれるのでしょうか。
『しない子育て』の著者で、長年アドラー心理学を研究している早稲田大学の向後千春先生にお話をうかがいました。
親の課題か、子の課題か 整理することで見えてくる
―冒頭のアンケートにあるように、「つい子どもにイライラして感情的に叱ってしまった」と答えたかたは、1~6歳の子どもをもったおうちのかたの実に95.5%にものぼります。感情的になってしまった原因を探ってみると「朝時間がないのに、なかなかご飯を食べなかった」「急いでいるときに子どもがお茶をこぼした」など、おうちのかたが期待したような行動を子どもができなかったときに、突発的な怒りを爆発させてしまったというかたが多いようです。どうすれば、親自身が怒りをコントロールでき、子どもを叱りすぎずに済むのでしょうか?
向後:アドラー心理学には「課題の分離」という考え方があります。まずは親と子の「どちらの課題か」を意識するといいですね。親の課題の大抵は「子どもが心配」というものですが、子どもがうまくいくか、いかないかは「子ども自身の課題」です。例えば、子どもたちがおもちゃの取り合いをしていたとしましょう。よく親は「仲よく遊びなさい」と注意するかもしれません。しかし、「仲良くしてほしい」というのは親の考えや願いであり、子ども自身にとっては「このおもちゃを取られたくない」ほうが課題です。アンケートにあるように、怒りをぶつけてしまうのは、親の「理想や期待」があり、その通りにならない子どもの現実とのギャップに怒りという感情がわいてくるのだと思います。でも、これも親の課題であり、子どもには関係がありません。そのことを理解しておくだけでも、親はいちいち口出ししなくてもいいわけですから、気持ちが楽に、ちょっと見守ってみようかなと思えるのではないでしょうか。
アドラー心理学では、「ペアレントトレーニング」と呼ばれる親の教育プログラムがあります。アメリカでは広く普及しています。しかし、まだ日本ではあまり普及していません。自分の子育てが正しいかと不安になるおうちのかたはとても多いのです。しかし、子育てに「正しい」はありません。不安だからと言って、子どもに介入しすぎると子どもの自信が育ちません。子どもを信頼し、先回りした過干渉をやめること。それが、子どもの成長につながります。
―子どもの成長にとって、これから重要になってくる力はどのようなものでしょうか?
認知スキルから非認知スキルへ これからの子どもたちに求められるもの
向後:21世紀は教科書を覚えることが中心だった「認知スキル」が求められていましたが、これからは「非認知スキル」がより重要になっていくでしょう。
「非認知スキル」とは、大きく分類すると
1.自分をコントロールするスキル、良い習慣を自分でつくる計画をしてそれを実行すること
2.他の人とうまくやるスキル、社会性
上記の2つになります。また、この力を育むためには、親は子どもを信頼し、「任せる」という態度がとても大事です。またギリギリのところまで子どもは自然の結末を楽しみ、試行錯誤したり、失敗する体験を通して、学びを最大化することができます。
―では、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
親子で何かするときは教え込むのではなく、一緒に楽しむこと!
ぜひおうちのかたは、お子さんと何か一緒にするときは、上から教え込もうとするのではなく、同じ立場で楽しんでみてください。子どもは教えてもらったことよりも自分自身が「おもしろい!」「楽しい!」と熱中できた体験を記憶しますし、心の中に残ります。そういった体験を親子一緒に積むことで、お子さんの考える力や学ぶ意欲が育つのではないでしょうか。
―いかがでしたでしょうか?
向後先生には、アドラー心理学の基本的な考え方や、親の在り方について学ばせていただきました。
<こどもちゃれんじ>が目指すものは、子どもに「やりなさい!」と言わなくても、子ども自身が「早くやりたい!」と自分から思えるような驚きと発見がある学びを提供することです。
年齢にピッタリのテーマでお届けするから、
たくさんの「やりたい!」「できた!」を体験できる!
たとえば2・3歳向けの教材<ぽけっと>では、覚えた言葉を整理するために必要な「多少・大小・図形」などが学べる「3歳の知育プログラム」があり、2・3歳に必要な知育テーマを自分で試行錯誤しながら、「できた!」「わかった!」と思える体験がいっぱいです。
この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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お話をうかがった人
向後 千春 先生
早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は教育工学、教育心理学、アドラー心理学。著書に『アドラー式「しない」子育て』(白泉社,2017)『幸せな劣等感』(小学館新書, 2017)、『18歳からの「大人の学び」基礎講座』(北大路書房, 2016)、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』、『アドラー”実践”講義』(技術評論社, 2016, 2014)、『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版, 2014)など。
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