マスクは本当に必要?
お子さんとマスクの関わり方
2020.06.01更新
お伺いした先生二瓶健次先生
<こどもちゃれんじ>育児支援サービス 医療アドバイザー
東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。
お出かけのときの悩み
感染のリスクはまだありますが、園が再開するなどお出かけの機会が増えています。お出かけするときの悩みとして、お子さんにマスクを着けるのが難しい、またはお子さんがマスクを着けたがらないといった声が寄せられました。
子どもにマスクは必要?
マスクでの感染予防はお子さんでもおうちのかたと同様に効果があると考えてください。感染を予防するには手洗いが有効ですが、マスクを着けることでも飛沫感染を防ぎ、自身が感染している際には、他人に感染させることを防ぐのに役立ちます。
【マスクを着けるのは何歳から?】
2歳未満のお子さんは、呼吸器の空気の通り道が狭いため、マスクを着けると呼吸がしづらくなります。また、顔色や表情からの体調の変化に気づきにくくなります。マスクを着けるのは3歳以上になってからがよいでしょう。
※お子さんの発達の個人差がありますので、2-3歳の間をあけて記載するかたちをとっております。記載の年齢は目安としてご確認ください。
【お子さんに合ったマスクの選び方】
マスクは通気性が確保されているものがよいですね。サイズとしては鼻と口が覆えて、マスクが下に落ちない程度に紐が緩すぎないものを選びましょう。
【これだけは守ろう!マスクの着け方・外し方】
鼻からもウイルスは侵入するので、マスクは鼻まで覆うようにして顔の中央に来るように着けることがポイント。マスクの中には鼻の部分にワイヤーが入っているものもありますが、息が苦しいようであれば、ワイヤーは曲げなくてもよいでしょう。外す際、マスクの表面にはウイルスが付着している可能性が考えられますので、触らないように持つようにしましょう。
【どんなときにマスクを着けたらいいの?】
お子さんはおうちのかたと同じ基準でマスクを着けなくてもよいでしょう。お子さんの場合はマスクを大人ほど正しく着けることが難しく、予防としてはむしろ手洗いの方が効果が期待できるためです。ただし、病院やスーパーマーケットなど人が多く密集する場所へ行く際にはマスクを着ける必要があります。できる範囲でマスクを着けるようにしましょう。
【マスクを着けるときに注意することは?】
お子さんがマスクをしていて息苦しい様子であればマスクを外すようにしましょう。紐が耳にあたる部分が、擦れたり、かゆくなったりすることがあります。この場合は素材を変えたり、紐を緩めたりするなどの工夫が必要です。よだれや鼻水でマスクが汚れてしまう場合にはガーゼタイプのマスクを使うとよいでしょう。今後は熱中症のリスクも高まりますので、お子さんが熱中症の疑いがないか様子を見てマスクを着けるか判断しましょう。
子どもがマスクを着けたがらないときは?
【お子さんがマスクを着けたくなるコツ】
お子さんにマスクを着けてもらうには、おうちのかたみんながマスクを着けている姿を見せることが有効です。他にも年齢に応じて対応を変えるとより効果的です。
5歳頃:マスクをする意味を理解できますので、着ける意味を伝えることが大切です。おうちのかたと一緒に、マスク作りをするのもよいでしょう。
3歳頃:マスクに動物の絵などを描いてあげるといった楽しい雰囲気づくりをすることが大切です。また、自分の好きな絵柄のマスクを選ばせるのもコツです。
【どうしてもマスクを嫌がるときは】
それでもどうしてもマスクを着けたがらないときに、人が密集する場所にお子さんを連れて行かなければならない場合には、なるべく短時間で済ませることを意識し、帰宅後は手洗いや消毒を行いましょう。
お子さんが感染しないためにできること
子どもへの感染は大人を通じて起きることが多いです。マスクをして感染予防をすることも大切ですが、おうちのかたが感染しないように注意をして行動することがお子さんへの感染予防となります。最近では、物から感染することが多いと分かってきました。ドアノブなどを触れた際には、こまめに手洗いや消毒を心がけましょう。