お子さんの
生活リズムを保つには?(第7回)
2020.05.01更新
お伺いした先生鈴木みゆき先生
(独立行政法人国立青少年教育振興機構理事長。元和洋女子大学人文学群子ども発達学類教授。)
生活リズムを保つためのポイントは?
緊急事態宣言が出され、外遊びやお友だちとの触れ合いを控える必要がある現状では、幼児のいるご家庭は本当にたいへんだと思います。外遊びが難しい中、体力がありあまっているお子さんの相手をするのは、親子ともにストレスがたまりますね。
また、どうしても生活にメリハリがなくなる・お子さんが運動不足で夜の寝つきが悪いなど、生活リズムの乱れを心配する声も多く聞かれます。
そんなときには、以下のポイントに気をつけてみてください。
朝起きる時刻・夜寝る時刻を一定に保つ
生活のすべてを以前どおりに営むことは難しい昨今ですが、ポイントとなるのは朝起きる時刻と夜寝る時刻です。この2つだけは、なるべく一定に保つよう心がけてください。昼と夜の区別をしっかりつけることが、お子さんの心身の健康や成長にとても重要です。
朝起きたら、日の光を浴びて体内時計をリセット
特に大事なのは朝の起床時刻です。起きたら、カーテンと窓を開けて、家の空気を入れ替え、朝の光を浴びさせるようにしましょう。人間の体は、太陽光を浴びることで体内時計をリセットし、一日のリズムを刻んでいきます。また、朝の光には心を穏やかに保つ働きのある神経伝達物質「セロトニン」の活動を高める働きがあります。
朝に運動をするとさらに効果的
日の光を浴びたら、少しでも体を動かすと、より一日の生活リズムを刻んでいきやすくなります。ちょっとした体操をする・新聞をとってきたり洗濯物を干すなどのお手伝いをする、などでも大丈夫。体が目覚めるような活動を取り入れてみましょう。
運動不足やストレスの解消には?
運動不足になって夜眠れなかったり、親子ともにストレスがたまるのは、このご時世では避けきれないことです。「できることをする」で毎日を乗り切るしかないのがつらいところですが、以下のようなお手伝いや遊びが、運動不足やストレス解消には効果的です。
手指や全身を使うお手伝い
手指や全身を使うお手伝いは、運動不足解消にもってこいです。特におすすめなのはお風呂掃除です。ゴム手袋などのグッズを準備して雰囲気をもりあげるとお子さんのやる気も高まります。全身を使う運動ですし、状況が許せば大きな声で歌を歌いながらやると、楽しくできる&ストレス解消の一石二鳥になります。
洗濯物を干すお手伝いもいいですね。干すのは難しい年齢のお子さんでも「パンパンして皺を伸ばす係」なら2歳くらいからできます。
新聞紙の千切り遊び
こちらも手指を使う遊びです。新聞紙などいらない紙をビリビリ千切るのは、親子ともによいストレス発散になりますよ。それを湿らせて床や窓を拭くなどのお掃除にも発展させることもできます。
パペットを使った遊び・人形遊び
家にいる時間が長く、おうちのかたとだけしか触れ合わない日々が続くと、どうしてもお子さんのストレスもたまります。そんなときには、パペットなどを使った人形遊びで、お子さんの気持ちに寄り添ってあげてください。「お母さん怒ってばかりでヤダねー。」「外に行って遊びたいよね、ぼくもだよ。」など、『第三者』を使ってお子さんの気持ちを代弁してあげることは、お子さんの気持ちの安定につながります。