今改めて気をつけたいこと(第6回)
正しく知って、
親子で対策!2020.04.23更新
お伺いした先生榊原洋一先生
医学博士、CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授、ベネッセ教育総合研究所常任顧問、日本子ども学会理事長
今できる感染予防策は?
緊急事態宣言が出され、子どもへの感染がますます心配になっているかたも多いかと思います。
「不要不急の外出は控える」「3つの密がそろう場所は避ける」などの対策はもちろん取らなければいけません。それと同時に、手洗いなど対策の基本になることも、改めて大切にしていきましょう。
手洗いが一番の感染予防
手洗いが感染予防のために一番大切です。特別な石鹸である必要はなく、普通の石鹸で問題ありません。泡を立ててしっかり洗いましょう。子どもに伝える際は「ハッピーバースデーの歌を2回歌う間」などと伝えると良いです。
特に手を洗うべきタイミングは
・食事やおやつなど、物を口にする前
・外から帰ってきたとき
・おもちゃや遊具などさまざまなものを触った後
です。普段から手を洗うべきとされているタイミングで、忘れず洗うようにしましょう。
除菌は手洗いの次
食事前にはアルコール消毒をすると安心です。ですが、消毒液が手に入らなくても心配する必要はなく、手洗いがしっかりできていれば十分です。除菌は「手洗いができない時にそれに代わるもの」というような認識にして、手洗いを第一に考えましょう。
布マスクで予防できること
マスクをすることで、咳をしてウイルスが入った飛沫が飛ぶのを防ぐことができます。また、もしウイルスが手についた場合も口を直接触るのを防ぐことができます。この2つの点では、布マスクでも効果はあります。
今できる感染予防策は?
体を動かしてストレス解消
もちろん、不要不急の外出は控えなければなりませんが、家庭内で過ごす時間が増えて外遊びが減ると、運動量が減るだけでなく、ストレスや不安にもつながります。
天気の良い日に家の中の太陽の光が当たる場所で遊ぶなど、できる範囲で体を動かしましょう。年齢が小さければおんぶや抱っこで日光浴をするのも良いでしょう。
外に出る際には、家族以外と身体接触をしないようにする、公園では遊具を使わないといったことには気をつけましょう。
友だちとの遊びの補填を
普通であれば集団で遊ぶという時間がありますが、現在ではそういった時間が取れなくなっています。そのため、それに代わる行動として、簡単なゲームを一緒にしたり、絵本を読んであげるなど、家族やきょうだいで遊ぶ時間を作ることが望ましいです。
遊びの時間は「気晴らしできているか」を基準に
遊びは、普段通っている幼稚園や保育園でのカリキュラムと同等くらいの時間が目安になるでしょう。ですが、どのくらいやるかにとらわれず、気晴らしの時間として設けることが大切です。
最後に
子どもへの感染は心配だと思いますし、もちろん対策は大切です。
ですが、子どもの感染者数や重症化しているケースは大人よりも少ないというのが世界の現状だということもお伝えしたいと思います。(2020年4月15日現在)
子どもは大人が緊張していることや心配をしていることを敏感に感じています。必要以上には恐れず、子どもの前ではなるべくコロナウイルスについての話はしない、心配になることは言わないなど、大人は意識して子どもが安心できる環境をつくってあげたいものです。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)では、榊原先生の解説動画も公開中
新型コロナウイルスに関するQ&A
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