新型コロナウイルスへの対応方法(第5回)
おうち時間の過ごし方の
お困りQ&A2020.04.03更新
おうかがいした先生岡本依子(おかもとよりこ)先生
立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科教授。専門は発達心理学。
新型コロナウイルス対応で
おうち時間が長くなった場合に
気をつけたいこと
新型コロナウイルス感染症の影響が増して、おうちで親子で過ごす時間が長くなった場合、どうしても親子ともに不安やストレスが増してしまいますね。そんなときには、以下の2つに気をつけて過ごすとよいと思います。
1.同じ情報でも子どもの方が敏感に影響を受けることも
新型コロナウイルスに関する情報に日々ふれていると、大人でも不安が大きくなってくることがあります。子どもはさらにテレビからの刺激的な情報の強い部分のみを受け取って、漠然と圧倒されてしまい不安になりがちです。
おうちのかた自身が新型コロナウイルス関連のニュースにふれる時間と日常生活とのバランスに気をつけるとともに、お子さんがふれる情報についても気を配ってあげてください。
2.規則的な生活を
ふだんから、子どもにとって生活リズムは大切です。外に出る時間が少なくなったり、出かけられる所が制限されると、生活リズムを維持することが難しくなるかもしれません。起きる、寝る、食事といったルーチンを目安にして、昼食の前に体を動かす、寝る前にストレッチをするなど、生活にメリハリをもたせられるといいですね。
どうしたらいい?
おうちでの過ごし方に関するお悩みQ&A
新型コロナウイルスの対応で、どうしても長くなるおうち時間をどう過ごしたらよいか、おうちのかたから寄せられたお悩みを、岡本先生にうかがいました。
Q.どうしてもテレビや動画を見せっぱなしになってしまいます。A.「長時間」「子どもひとりで」の視聴にならないように気をつけてうまく使いましょう。
このような状況ですから、テレビや動画などの便利なものは利用して、少しでもストレスなく生活できることを優先しましょう。ただ、「テレビを消す時間を決める」「1日に1、2回は、お子さんと一緒に視聴する」など、お子さんが長くひとりでメディアにふれ続けることがないように工夫してみてください。
特に、一日中テレビをつけっぱなしが習慣になっているご家庭では、新型コロナウイルス関連のニュースにお子さんがふれすぎないように、という観点でも、大人向けの番組の視聴時間も含めて「テレビを意識的に消す」ようにしてみてください。
Q.運動ができないので、親子ともにストレスがたまります。A.ストレッチのようなものも含め、意識して体を動かす時間をつくりましょう。
外に出られず、ずっと家にいると体を動かすことは、意識しないとなかなかできないものですよね。運動は、元気いっぱい駆け回るようなものでなくても大丈夫。夜寝る前にストレッチする、窓を開けたら伸びをして深呼吸など、意識して体を動かす時間をつくりましょう。
また、掃除は意外に体を使う運動です。ふだん動かさないものを動かして、親子で家の大掃除をするのも運動不足解消にはおすすめです。
Q.友だちと遊べないことに子どもが納得せず、どう言うべきか迷っています。A.不安にさせない言い方で、遊べない理由を説明しましょう。
理由がわからないままではお子さんの不満も不安も増すばかり。ここはきちんと説明して大丈夫です。お子さんの理解度に合わせて、「今、外では病気がはやっているから、お外にあまり出られないのよ。病気がなくなったら遊べるようになるからね。」など、「期限つきの我慢である」ことを伝えられるといいですね。
また、家にいる時間が長くなると、限られた人間関係の中で親も子も煮詰まってしまうかもしれません。お友だちやおじいちゃん・おばあちゃんと電話で話すのも楽しいですよ。電話で意思を伝えるというのは子どもにとっては意外と難しいことで、コミュニケーションのよい練習になります。電話のあと、「お友だちはなんて言ってた?」と親子でお友だちの話をするのもいいですね。
Q.ずっと子どもの相手で息つく暇もなく、親自身のストレスがたまる一方です。A.息抜きは大人にも必要です。
お子さんがひとりで遊んでいる時間は、おうちのかたは休憩でOKです。とはいえ、子どもが集中できる時間は短く、小さい子ほど親の関心がそれることにも敏感なので、おうちのかたは本当に大変だと思います。大人が二人以上いるご家庭では交替で相手をする、難しい場合はトイレに入る時間を少し長くとるなどでもよいので、おうちのかた自身をいたわる時間の確保をしてください。
どうしても難しいときには、電話で人と話すだけでもストレス発散になるので、ひとりで抱え込みすぎないようにしてくださいね。