おうちの中で過ごす時間が増えている今、
家事の時間をお子さんの学びに変える
おすすめの「お手伝い遊び」を、
遊びの専門家に伺いました。新型コロナウイルスへの対応方法(第4回)
家事の時間を
お子さんの学びにする
アイデア集2020.03.24更新
お伺いしたかた佐藤蕗(さとうふき)さん
造形作家/おもちゃ作家。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、雑誌、WEB、テレビで活躍中。
家事の時間を、お子さんに
「ふだん教えていなかったこと」を
教えるチャンスととらえる
外出できず、おうちで親子で過ごす時間が長いと親子ともにストレスがたまりますよね。家事も思うようにはかどらず、おうちのかたへの負担も大きいので、イライラしてしまうこともあるかと思います。
家事だけに集中しにくい今だから、いっそのこと、お子さんに家事のお手伝いをしてもらいながら、ふだんはなかなか教えられないことを教えるチャンスととらえてはいかがでしょうか。
就学前は、
「お子さんも楽しくて親も助かる」は期待しない
お子さんが低年齢だと、お手伝いをしてもらうほうが時間も手間もかかるので、「子どもも楽しく過ごせて、おうちのかたも助かって一石二鳥」には、なかなかならないと思います。
家でできる親子遊びのネタもマンネリになりがちだからこそ、「家事を通して、教えたかったことを教えるチャンス」と割り切ったほうが、おうちのかたにとっても気が楽だと思います。
家事を通した学びの例
1. 食材の色あて・種あてクイズ
包丁が持てる年齢のお子さんなら、この機会に使い方をじっくり教えるのもよいですが、おうちのかたが切りながら、「なすの中身は何色かな?」「トマトに種はあるかな?」など、食材の断面をクイズにするのもおすすめです。
2. 浮く?沈む?クイズ
野菜などの具材を洗いながら、「ピーマンは浮くかな? 沈むかな?」などとクイズにしてみましょう。まるのままだと沈むけれど、切ると浮くものもあります。
3. 調味料の名前あてクイズ
調味料を並べて見せて、「全部名前が言えるかな?」などと聞いてみても楽しいですね。食卓に出すことも多い「しょうゆ」「マヨネーズ」などは知っていても、「みりん」は知らないなど、意外な発見がありますよ。
4. 洗濯物わけっこ遊び
洗濯物を取り込んだら、「この靴下の片割れはどこかな?」とペアを探したり、「おとうさんの服と、おかあさんの服とでわけてみよう。」などと、わけっこ遊をしたりすることもできます。
5. つりあうかな?クイズ
ピンチタイプの物干しハンガーで、干すものをわざと左右のバランスがとれていない状態にして、「ここに何を干したらつりあうかな? 靴下かな? タオルかな?」と、吊りあうものをあてっこする遊びです。親子で1つずつ左右に干していき、ちょうどいいバランスになるのを狙う遊びに発展させてもいいですね。
6. お風呂の汚れモンスターみつけ遊び
お風呂などの水回りは、いろいろな種類の汚れが存在します。「あかモンスター」「かびモンスター」「かみのけモンスター」など、汚れに名前をつけて、どこに潜んでいるかを探したり、一緒に退治したりして遊びます。
7. ごみ分別クイズ
少し年齢の大きなお子さんなら、リサイクルマークなどを目印にした、ごみの分別をクイズにすることもできます。リサイクル分別ごとにごみ箱や袋などを用意して、「このマークがついたゴミはどの袋に入れるのかな?」とリサイクルマークに注目できるように促しましょう。
8. バンダナやエプロンでカフェごっこ
冷たい飲み物をグラスに注ぐことができる年齢のお子さんなら、お子さんにおうちカフェの店員さんになってもらいましょう。「オレンジジュースをください!」などとドリンクの注文をお願いするのも楽しいですよ。メニュー表を作ったり、バンダナやエプロンなどのなりきりグッズを準備したりするとより遊びが盛り上がります。
9. 玄関係
園に通う年齢のお子さんなら、「台所はおかあさんの担当、玄関は〇〇ちゃんの担当ね。」と、おうちの中で、子どもが担当する場所を「係」として決めるのも、お子さんがやる気になる方法です。靴をきれいに並べてもらう、片付けるなどをやってもらうことで、家庭の中での役割を自覚させていくのがねらいです。