小児科の先生に、新型コロナウイルスの
正しい知識と対応方法を教えてもらいます小児科の先生に聞く
新型コロナウイルスへの
対応方法(第1回)
正しく知って、親子で対策!2020.03.05更新
お伺いした先生榊原洋一先生
医学博士、CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授、ベネッセ教育総合研究所常任顧問、日本子ども学会理事長
新型コロナウイルスとは
コロナウイルスは、ふつうの風邪をひくときによく感染するウイルスですが、新型ウイルスはそれが突然変異で毒力が強くなっているので、症状が重くなることが心配されています。
ただし、人間の歴史でみれば、他に知られているウイルスに比べて特段怖いものということではなく、今までにも同様に恐れられるウイルスはありました。また、それをちゃんと乗り越えてきているということを覚えておきたいところです。
大人が、パニックになったり必要以上に心配を持たないことが、子どもたちも安心していられる第一歩となります。
新型コロナウイルスから
身を守るために、
気をつけたほうがよいことは
今回は新型のウイルスですが、やるべきことは他のウイルスと共通した3つです。
手を洗う
おもな感染要因が飛沫感染、接触感染といわれています。空中に舞った唾や鼻水などを吸い込むこともありますが、飛沫感染で多いのは、飛沫が舞い降りたテーブルなどを触ったり、ウイルスがついたドアノブなどに私たちが触ったりした後、その手で自分たちの鼻をかく、目をこする、口を触る、など粘膜や口に入ることで感染するケースです。
人間は、手で知らないうちにいろいろなものを触り、無意識に顔を触る癖がありますが、そこからの感染を断つという意味で頻繁に手洗いをすることが効果的です。
とくに、自分の持ち物ではない公共のもの(ドアノブ、エレベーターのボタン、電車のつり革など)を触った後は、できるだけ手洗いをするということが原則です。
マスクをする
お子さんと自分自身を守るために大切なことは、まず手洗い、次にマスクをすることです。
ただし、マスクをしていると大丈夫と思い、つい手洗いをおろそかにしてしまいがちです。マスクをしていても、ウイルスがついた手で顔を触ったりしては意味がなくなってしまいます。
また、マスクというのは両面とも汚いので、外すときに触ることで感染のもとになる場合もあります。
たくさんの人が集まるところには、
できるだけ行かない
流行している時期には、屋内など閉鎖した空間でたくさんの人が集まるところへは行かない、ということが重要です。熱や咳が出たときに、新型コロナウイルスを心配してすぐに病院に行きたくなりますが、病院も危険な場所の一つであることを覚えておきましょう。
予防接種や検診なども、時期をずらせるのであれば、この時期は避けたほうが賢明です。
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)では、榊原先生の解説動画も公開中
新型コロナウイルスに関するQ&A
チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)は「子どもは未来である」という理念を掲げ学際的、国際的な活動を推進する、インターネット上の「子ども学」研究所です。
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