レストランやショッピング、お友だちのお家など、子どもとおでかけすると、子どもが静かにしていられなくて、周囲に迷惑をかけないか、ハラハラする保護者のかたも多いと思います。
今回は、『「自分でやる」と言える子に育てる本』の著書であり、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ先生に、キッズコーチングの視点を生かして、幼児におでかけマナーを教えるためのコツを教えていただきました。
- イラスト/おぐらなおみ
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お出かけ前のちょっとした事前準備で解決!
子どもにとって保護者のかたと一緒のお出かけは、とても楽しみなイベントです。気持ちが興奮してしまい、いつもよりはしゃいでしまうことも多いのです。しかし、おでかけは、当日より前に、保護者のかたが“ある準備”をしておくだけで困りポイントを大きく変えることができます。
事前準備といっても難しいことはありません。たとえば電車でのおでかけなら電車の絵本を、買い物に行くなら買い物についての絵本を子どもと読むといったことで大丈夫です。ポイントは、子どもが新しい場所でどのように行動したらよいかイメージさせてあげること、そこでの振る舞いを約束しておくことです。たとえば、電車の絵本を見ながら、電車がどんなところか、次のおでかけで何分乗るのか、など話していき、「電車ではこんな風にたくさんの人が乗るから、小さい声で話そうね。できるかな?」と約束をしていく、といった具合です。絵本の他にも、市販の幼児向け教材を活用することもオススメですね。
電車内やレストランで静かに過ごせるよう、絵本やシールブックなどを用意しておくのもよいでしょう。手遊びや指遊びもオススメです。一方、あまり向いていないのがミニカーなどの動くオモチャです。ひざの上など自分の範囲で遊べるもの、静かに集中して遊べるようなオモチャをいくつか用意しておくとよいですね。
スマホに頼る前にしたいこと。
どうしてものときは「イエス・アンド法」で
おでかけに関する質問で、保護者のかたからよく聞かれるのが、「おでかけ中に、スマートフォンで動画を見せて子どもの気を紛らわしてもよいですか?」というものです。おでかけは、外部からの刺激を受けられるとてもよいチャンスですから、できればスマートフォンやゲームは我慢したいものです。
たとえば、電車であれば窓の外には様々な景色が広がっているので、車窓に意識を向かせるような声掛けをしたり、「次の駅は何かな?」「この電車に何人乗っているかな?」など、クイズや親子での会話をしたりしてみてはいかがでしょうか。
けれど、子どもをなだめることも限界で、しかたなくスマートフォンなどを使わせるという場合もあるでしょう。そうしたときに有効なのが、「イエス・アンド法」です。
「イエス・アンド法」とは、まず肯定して(YES)、その後に条件をだす(AND)方法です。初めにイエスで子どもの気持ちを受け止めることで、すんなりと意見をとおすことができます。具体的にはこのような方法です。
「ママ、スマホを見たい」と言われたら、「いいわよ」とまずは肯定してあげます。その後に「あと3つ駅を過ぎたらね」と条件を出すのです。その条件は、お子さんがクリアできるような小さなステップから提案するのがよいでしょう。
「~してはいけません」よりもアイメッセージを意識して
ついつい、おでかけ先では、「電車では静かにしなさい」「スーパーでは走っちゃだめ」など、命令調の声掛けをしてしまいがちです。ルールばかりが増えてしまい、根本的な子どもの行動は改善されないため、保護者のかたの負担はなかなか減らないのです。
しかしイエス・アンド~の条件を守ることができたら、さらに「静かにしてくれていて、お母さんうれしいわ」「電車で静かにお話できたね」など、主語をわたし=I(アイ)にする「アイメッセージ」で保護者のかたの気持ちを一緒に伝えるとよいでしょう。 そうすることで、「静かにしていると、気持ちいい」と子どもに伝わり、「次もそうしよう!」という気持ちが育ちます。すると、次第に我慢ができる時間が長くなり、根本的なところから子どもの行動は改善され、保護者の負担が徐々に減っていくのです。
アイメッセージは、先に述べたように子どもが自分の行動が、人に影響を与えるということを学べるので、周囲の人や保護者に喜んでもらうには、どうしたらよいのか自分でふさわしいマナーを考え、行動できるようになっていきます。ぜひ、お子さんと接する際、アイメッセージで保護者のかたの気持ちを伝えてみてください。きっとお子さんの行動に変化があるはずです。
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